時事通信vol.5 消費税の歴史

時事を制する者は試験を制す?

時事問題とは一般的に、日本や世界の主要な出来事について考え、答えを導き出す問題のことを指します。
この時事問題、実は近年、入試や学校のテストにおいて出題される傾向が高まっているのです。
18歳選挙権、朝鮮半島問題等々、身近な出来事について、少なくとも説明し、自分の意見を述べることができるようにしておくことが、試験の結果に直結していくのです。
今回は、先月増税されたばかりの消費税の歴史について。時の政権にも大きな影響を与えてきた消費税ですが、10%への増税を決めたのが民主党政権だったこと、覚えていましたか?

消費増税の歴史

年度 概要 総理大臣
1979年 財政再建の為、一般消費税の導入を検討も断念 大平正芳
1987年 売上税法案を提出も世論の猛反発で廃案 中曽根康弘
1988年 消費税法成立(3%)。翌年施行も支持率急落で退陣 竹下登
1997年 消費税率を5%に引き上げ。内1%は地方消費税 橋本龍太郎
2009年 「消費増税4年間凍結」を公約の一つに掲げ、政権交代実現 鳩山由紀夫
2010年 アッサリと公約を翻して消費税10%を打ち出し、選挙に惨敗 菅直人
2012年 2014年に8%、2015年に10%とする法案が成立 野田佳彦
2014年 消費税率を8%に引き上げ。但し10%は延期を表明 安倍晋三
2018年 2019年に10%とすることと、軽減税率の導入を表明

いよいよ10%の“大台”に乗った消費税。その導入や増税の歴史は、まさに時の政権をひっくり返す程のインパクトを持つものでした。

消費税導入当時の竹下政権に至っては、支持率が消費税率の3%を下回るという皮肉な状況に陥ったほどです。(今ではタレントのDaigoさんの“おじいちゃん”としてのイメージが強いですが、当時の反発は相当でした)

消費税の今後

一方で、少子高齢化も進み、増え続ける社会保障費をまかなうには、減っていく現役世代だけに負担を押し付けるのではなく、国民全体で広く負担する消費税の導入と増税が不可欠なものでもありました。

事実、消費税による税収は、国の税収の3割以上、金額にして約10兆円を占めるまでになっており、個人や法人の納める所得税に次ぐ大きな収入源になっています。

その消費税ですが、日本では導入されてようやく30年の節目を迎えたのに対し、世界で初めて導入したフランスは65年もの歴史を持っており、今回日本でも導入された軽減税率についても、かなり細かな線引きが設定されています。

例えばフランス料理に欠かせない世界3大珍味も、キャビアは標準税率なのに対し、フォアグラとトリュフは軽減税率が適用されるといった具合です。

これは、輸入品と国産品で線引きをすることで、国内産業であるフォアグラとトリュフを守ろうとしているもので、日本でも今後、国内産業の保護や活性化を意図して、フランスのようなより細かな軽減税率の適用が検討されるようになっていくのかもしれませんね。