編集長コラムvol.8 息の抜き方

受験生は言うまでもなく、そうでなくとも定期テストが立て続き、学生の皆さんからすれば息つくヒマもないシーズンです。

ただし、特に受験はマラソンと同じ長期戦。頑張るときは頑張り、休むときは休むメリハリもなければ、とても最後までペースを維持し、無事にゴールを切ることはできません。言うなれば、勉強上手は休み上手でもあると筆者は考えます。

一方で、休むことに罪悪感を感じる頑張り屋さんもいれば、ついつい休みすぎて後悔ばかりの計画倒れ君もいます。

では、うまく休みを取り込みつつ順調に成績を伸ばす子と、そうでない子たちの間にはどのような差があるのでしょうか。

筆者が塾長を務める個別指導「こだわり」塾での様子や講師陣からのヒアリング内容も踏まえ、息抜きのポイントをご紹介したいと思います。

メリハリのある計画

まずは何をさておいても計画性です。ダラダラ取り組んでしまったり、あるいは休みすぎてしまう子に共通するのは、この計画性が欠如しているケースが大半です。
時間割は学校のみにおいて適用されるべきものではなく、自学においても「いつ、何をやるのか」をある程度明確にして取り組むべきものなのです。
また、この点は時間だけでなく、曜日においても同様です。あえて休みの日を作ることで、その日を励みに頑張れるというのは、毎日懸命に働くお父さんやお母さんの姿に重なるところもありますが、確実に有効な手段の一つです。

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僕は平日と土曜に勉強。日曜は休みと決めて取り組んでいました。
平日は予習・復習に塾の分を含めた宿題中心。土曜は各種の応用問題など、自分のテーマに即した勉強に集中して取り組みました。
日曜は塾もしまっていることが多いですし、家には家族がいて集中できないので、夜に単語や計算練習など基礎分野に少し時間を割く程度で、あとは割り切って遊んだり休むようにしていました。

息抜きにやることを決めている

ダラダラしてしまうのは、いくらでもダラダラと時間を浪費できる手段で息抜きしていることも理由の一つに挙げられます。
例えば10~15分、場合によっては30分や1時間でも良いですが、ある程度決まった時間で終了できる息抜きの手段を見出しておけると、キリの良いところで勉強に戻ることが出来ます。
このときに大事なのは、時間の長短に限らず、しっかり勉強のことを忘れられる手段であること。読書でもおしゃべりでもゲームでも良いですが、あくまでも息抜き=脳の休息ですので、完全に勉強のことを忘れられるようなものであることが理想です。

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僕の場合は通っている塾のすぐ近くにボウリング場があったので、勉強で疲れたときには2ゲームまでと決めてボウリングに行っていました。
時間にすれば30分ほどの時間でしたが、体も動かせますし、友人とはしゃぐことでリラックスして切り替えることができました。
ちなみに全科目で一番“スコア”が伸びたのもボウリングです(苦笑)

環境を変えてみる

勉強は机という狭い空間にひたすら向き合う孤独な作業ですので、それ自体に大きなストレスがかかります。そこで、集中力が切れた時などは環境を変えることも一つの手段です。
例えば午前中は図書館、午後は塾の自習室。あるいは平日であれば学校に居残って勉強するところからスタートするのもアリでしょう。もちろん、その中に家やカフェが含まれてもOKです。
いずれにしても、環境を変えれば景色も変わりますし、その分だけ気分的にもメリハリのついた時間を過ごしやすくなります。自分が勉強する上で、どこで取り組むことがBESTなのかを考えて、環境を選ぶようにしましょう。

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私にとっては学校での時間が息抜きで、家での時間は勉強に邁進する時間でした。
なので、例えば学校の休み時間に塾の宿題をやってる子もいましたが、私は休み時間は休む時間と割り切っていましたし、学校が終わってから先を急ぐように帰宅するということもありませんでした。
その代わり、勉強するときは一切をシャットアウト。部屋にはテレビも置いていませんでしたし、スマホもリビングに置いて手の届かないようにしていました。
また、週末のように家に家族がいるときは集中できないので、そういった日は図書館に行ったり、塾の自習室に通って集中するようにしていました。

ヤル気のある友人と行動を共にする

人間は環境に大きく左右される性質があります。ましてやまだ10代の前半ともなれば、言わずもがな。なかなか理性だけでコントロールしきれるものでもありません。
そこで、そもそもヤル気のある、あるいは習慣の確立できている友人と時間を共にすることも有効です。
彼ら彼女達は、上記の事項など自分なりの息抜き手段を持っていることでしょうし、ダラダラと不毛な時間を過ごすことなくメリハリのある時間の使い方をできているものです。
そんな彼ら彼女達と行動を共にすれば、一人だと「もう少し休んでも・・・」となっていたところを引っ張ってもらえるでしょうし、他にも量や教材等々、学ぶべき部分がたくさんあるはずです。

voice
僕は自分ひとりだと際限なくダラダラしてしまうところがあったのですが、ヤル気のある友人と時間を一緒に過ごすようになってからは、僕がもう少し休みたいと思っていても友人がすぐに戻って勉強しようとするので、その姿に引っ張られて頑張れるようになりました。
それに、そういったスタンスを持っている友人からは、他にも勉強への考え方とか、いろいろ学ぶ部分もあって、単にメリハリ以上の価値があったと思います。