「塾に通う(もしくは転塾する)」「ニンジンをぶら下げる」「とりあえず説教(苦笑)」
これらは成績が上がらない時に考えがちな対処法のTOP3と言えるものでしょう。確かに環境を変えることも時に刺激になり結果につながることもありますし、ニンジンが魅力的なものであればあるほど一時的に効果をもたらすことはあります。説教すればイヤイヤながらも机に向かわせることはできるかもしれません。
しかし、いずれも一時的に効果を得ることはできたとしても、その継続性には疑問符がつきます。そして何よりそのことを実感しているのは、本稿をお読みの皆様自身だと思います。
では、どうすれば停滞する我が子の成績を上向かせることができるのでしょうか?現状打破を模索する上でのポイントをご紹介しましょう。
①そもそものOKボーダーが低すぎないか?
結果が出ていない子の共通項として、まずはそもそも「頑張っている」と評価する水準の低いことが挙げられます。例えば極端な例ですが、成績上位の子が1日5時間やっているならば、上位を目指すには3時間では評価できません。停滞する例の多くが、こういった絶対的な量に対する評価が甘いのです。
ただし、ダラダラ時間だけが流れる不毛なことはやらないように。仮に短くてもOKなので、まずは目的とテーマを持った濃い時間を毎日継続的に過ごすことを重視してください。誤解しているケースも多いですが、「机に向かう=勉強をしている」ではありません。スマホをさわっていたり、休憩や居眠りの時間を除いてどれだけ勉強しているか、一度計ってみるとよいでしょう。
②勉強の目的を履き違えていないか?
一生懸命を問題を解いているわりに、成績に結びつかないタイプは、解くことが目的になっていないか要チェックです。
本来は解くことではなく、正答できるようになることが目的に置かれるべきで、特に暗記系はやったかどうかではなく、ちゃんと覚えているかどうか小テストを重ねて確認するようにしましょう。もちろん問題集も、解いたかどうかではなく、誤答した問題は解説を読むなり先生に質問するなりした上で解き直し、正答できるようになるまで反復することが大事です。
③応用問題にばかり手を出していないか?
野球であればキャッチボールや素振り、サッカーであればドリブルやボール回し、スポーツに限らず、何でも大事なのは基礎です。いきなり試合をやっても活躍することは難しいでしょう。
勉強も同じです。勉強量のわりに結果が伴わない場合には、今勉強している分野ではなく、その分野の土台となる基礎が理解不足の可能性があります。例えば数学であれば、中2や中3で習う「関数」は中1で習う「比例・反比例」が土台になっています。自分がどこからわからなくなったのかを突き止め、必要であれば小学校の内容にまで戻って理解し直しましょう。
④学校の授業を聞き流してしまっていないか?
テストの類は基本的に学校の授業内容から出題されます。何より、1日の内の大半を過ごす学校の授業をちゃんと聞いていないということは、貴重な勉強時間を無駄に過ごしているのと同じことになります。単純比較ですが、1回の授業が50分だとすると、授業をちゃんと聞いているのかそうでないのかで、それだけの時間だけ学習量に差がついていくことになるのです。
勘違いしているケースも多いですが、「塾で勉強するから、授業は聞かなくていいや」などと高を括っている人は要注意!
⑤コロコロと勉強方法を変えていないか?
どれだけ正しい勉強をしていても、成果が出るにはある程度の時間が必要です。例えば「夏の学習成果は3ヵ月後に出る」などという格言じみた言葉もあるほどです。努力しているのになかなか結果が出ないという場合でも、実力は付いていてもそれがまだ結果に反映されていないだけかも知れません。
結果が出ないからと焦ってコロコロやり方を変えていても、むしろ逆効果になる場合がありますので、上記①~④の内容に心当たりがないという場合はなおさら、現状を耐え、自分や先生を信じ、そしてやり方を貫いてください。