編集長コラムvol.7 逆算力

【A君】
テスト範囲が発表されたし勉強を始めよう!
  • ある日:今日はこのぐらいかな
  • ある日:今日は調子が良いしドンドン進めるぞー!
  • ある日:今日はイマイチヤル気が出ないから明日でいいや
・・・
【B君】
テストまで1ヶ月だから1日当たりだと・・・
  • ある日:今日はノルマ達成!
  • ある日:今日は調子が良いからノルマより多くできた!
  • ある日:今日はヤル気がイマイチだけどなんとかノルマは達成!
・・・

各校定期テストの足音が近づいてくるタイミングですが、アナタはどちらのタイプでしょうか?

A君タイプであれば、その日の気分任せで、結果的に毎回ワークの提出に追われ、それなりにバタバタと勉強していたつもりでいるのに結果が出ない、もしくは科目によってかなり当たり外れがあるのではないでしょうか。

逆にB君タイプであれば、提出物の〆切りに追われることもなく、余裕を持って学習を進められているので、特に得意科目などは安定して結果を出せているものと推察されます。

ここでお伝えしたいことはもちろん、両者を分かつ最大のポイントが計画性、更に言えば、それが逆算的に組まれているかどうかにあるという点です。中学生のテスト勉強に限らず、受験勉強にしても、就職活動にしても、もちろん大人になって働き始めても同じです。デキる人は漏れなく逆算的に計画を立て、そして実行する力に秀でています。

学習計画の一歩目でつまずいてはいないか?

筆者が塾長を務める個別指導「こだわり」塾でも、3者面談などの機会に節目となるテスト日程などを把握しているか確認するようにしていますが、悲しいかな自身の未来に関わる大事なテストにも関わらず、把握できていないという方がむしろ多数派だったりします。

もちろん塾では各種の情報をしっかり共有し、管理しているので、少なくとも受講科目に関しては遅滞なく学習を進められるようサポートできているわけですが、問題の本質はそこではなく、講師がサポートしないと計画的な学習管理ができていないことこそが問題なのです。

1日の内で、もっと言えば1週間1ヶ月1年の内で、塾に出入りしている時間は果たしてどれぐらいの割合でしょうか。

毎日学校が終わってからマメに自習に来ている子でもせいぜい3~5時間。塾には休塾日というものもありますから、1週間単位で見ても30時間程度が上限でしょう。そうなると、全体の時間に占めるのはたったの2割弱です。

残り8割強の時間は各々の管理下で過ごさなければいけないわけですが、その使い方が惰性に委ねた結果オーライの使い方になるのか、はたまた計画的に練られたものであるのか、両者にもたらされる結果は明らかです。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とは第9代平戸藩主松浦清の随筆集『甲子夜話』の一節で、プロ野球の名監督である野村克也氏の座右の銘としても有名な言葉ですが、たまたまハマってうまくいくことはあれども、失敗の背景には必ず明確な敗因があります。

目標への一歩目たる計画性、そして逆算力という点において、最初から勝敗が決してしまっているということがないよう、まずは目標をしっかり見定めるところから確認していくようにしましょう。

逆算的計画のポイント!
  1. 目標を確認(テストの日程等)
  2. やるべきことを棚卸し(漏れなくダブりなく)
  3. 1回ごとの取組み内容を細分化(目安時間も設定)
  4. スケジュールに落とし込む!(少し余裕を持たせて成果チェックも盛り込む)