夏休みも終え、いよいよ受験シーズンが加熱してくると大きなテーマになってくるのが、模試の成績との向き合い方です。
偏差値が上がったり下がったり、あるいは志望校の合格判定が良くなったり悪くなったり・・・。特に夏に頑張った人ほど、この時期の成績には一喜一憂しがちです。しかしゴールはまだ先。ここで大切なのは北辰でどんな成績を取ったか以上に、その成績に基づいてどういった“未来”を過ごしていくかです。
そこで、北辰の結果をどう活用していくべきかについて考えてみましょう。まずはお手元に成績表をご用意の上で、読み進めてください。
①正誤表
模試で確認すべきことの第一は、やはりそれまでの学習の成果測定であり、見方を変えれば課題の抽出です。
何ができていて、何ができていなかったのか。失点した単元はどこか、その原因は理解不足なのかミスなのか・・・そういった課題を明確にすればこそ対策も立てられますし、次回以降に向けての計画にもより具体性が伴います。また、出来ている部分がどこなのかを知ることで、自らの強みとして伸ばしていくべき部分も明確に出来ます。
また、単元だけでなく出題形式も合わせて確認することで、得点or失点パターンも見えてきます。記述力なのか知識なのかケアレスなのか、はたまた・・・まずは現状分析を正しく行うことが、次回以降により確かな結果を得る上での第一歩です。
②解答用紙
特に記述問題の場合は、単なる正誤だけでなく、“減点(部分点)”という処置がされる場合があります。ここで大事なのは、何が減点要因になったのかを明確にすることです。
例えば漢字で書くべき部分を平仮名で書いてしまったことなのか、英語の場合はスペルミスや時制ミスの類なのか、数学の場合は説明不足だったのか等々、課題を明らかにしておかなければ、同じことを延々と繰り返す羽目になりかねません。
また、解答用紙を俯瞰することで、例えば図式化する問題が苦手であることが分かったり、後半部分に手が回っていない=スピード不足が明らかだったり、他にも様々な現状が見えてきます。
自分が50分の中で残した足跡には、未来に向けての様々なヒントが隠されていることを理解しましょう。
③成績推移
成績が上がった下がったの一喜一憂はもちろん然るべきことですが、例えば同じ偏差値でも“上がり方”“下がり方”というものがあります。
例えば国語など対策を疎かにしがち=センス依存度の高い科目に良く見られる傾向ですが、偏差値60超をたたき出したかと思うと、次回には50前後まで乱高下するパターンです。
こういった推移を辿っている科目は要注意です。たまたま得意な単元が集中的に出題された(逆も然り)ための成績だったのか、あるいはそもそも感覚依存でハマるかどうかに依存してしまっている現状なのか。
そういった現実をしっかり直視することも重要な自己分析なのです。
Manavoを運営する個別指導「こだわり」塾のある講師はこんなことを言っていました。「当時、模試を受ける時間をもったいないと思っていました。そんな時間があれば勉強したいなと」。さすがというべきか、至極もっともな意見です。模試はあくまでも成果測定の場であり、そこでの時間自体は成績UPに直結しません。
また、あくまでも合格判定はその回における偏差値や得点力に依存したものであり、特に公立志望の場合は4割近くを占める内申点が考慮されていません。
つまり、ただ試験を受けて、目先の数字に一喜一憂するだけでは、あまりにも時間とお金と労力が惜しいということです。
一喜一憂することは悪いことではありませんが、その先をしっかり意識し最大限に有効活用するようにしましょう。