夏を乗り越えた受験生に考えて欲しい、志望校選びの軸

志望校選びと言えば、いつの時代も偏差値基準が中心になりがちです。つまり、自分の偏差値でいける学校にしようという考え方です。受験である以上、ライバルとの競争が前提になるため、この考え方から逃れることはできません。

しかし、まだ2学期が始まったばかりの段階で、今現在の偏差値を軸にいけるところを探すというのは、見方によってはあまりにもネガティブな探し方と言えます。なぜなら、そこには「志望校合格に向けて頑張る」「自分の可能性はまだまだこんなものじゃない」といった未来志向の観点が欠けているからです。

では、夏から秋にかけての段階では、どういった観点で志望校選びを考えるべきなのでしょうか。

下の図でも触れているように、この時期には自らの高校生活やそのビジョン等、志望校選びの価値観を明確にすることが重要です。

例えば、やりたい部活動があるかどうか、留学制度の有無やその基準、もちろん進学実績やカリキュラムといった、より先の未来を見据えることも無視できません。

特に私立高校の場合は、同じ学校でもコースによって事情が全く異なるケースが多く、いざ進学してから「話が違う」とならないよう、より細かな視点でチェックすべきでしょう。

また、こうした情報の数々は、各高校のHPで公開しているケースも多いですし、クチコミサイトの類でも確認できる事項はあります。

ただ、ここで一つ注意してほしいことは、あくまでも自分の足を運び、確認する手間を惜しまないで欲しいということです。

夏休み以降、部活動体験や学校見学、あるいは文化祭等々、様々な形で高校に足を踏み入れることのできる機会はありますし、合同説明会といった場も、高校の職員の方の雰囲気から校風を推し量ることの出来る貴重な機会の一つです。

いずれにしても、他人の価値観ではなく、自分の価値観で感じ取り、判断することが後悔しない志望校選びには不可欠です。

そして、あくまでも現時点での成績で判断してしまわないことです。こんなデータもあります。Manavoを運営する個別指導「こだわり」塾の先輩達の動向を分析すると、夏休み段階での志望校と最終的な出願段階での志望校が一致するケースはむしろ少数派でした。つまり、特に夏以降、努力を継続していった結果として、当初自らが想定していた以上に成績が伸び、そして志望校を上方修正する生徒さんが多かったのです。

現段階での成績で自らの可能性を限定する必要など全くないですので、偏見にとらわれるのではなく、むしろ「この学校に行くためなら頑張れるかも」と思えるような出会いを求め、現段階の成績からは少し背伸びするぐらいの気持ちで、積極的に学校探訪に繰り出してみましょう。