夏休みもそろそろ終わりを迎えます。”この貴重な40日間をいかにして過ごすか?”が大切だったことは言うまでもありませんが、夏休み後の過ごし方もまた、今後成績が伸びていくのか、はたまた伸び悩むのかに大きく関わってきます。
夏休み後は学校も再開し、受験勉強だけに集中できた夏休み中とは大きく状況が変わってくる中で、残念なことに様々な理由で勉強のペースを乱し、伸び悩んでしまう受験生も毎年少なくありません。夏休み後の勉強への向き合い方について、よくある失敗パターンをご紹介しますので、そうならないよう対応策を練ってください。
よくある失敗① 〜燃え尽き型〜
多くの中学生にとって、これほどまでに長い期間勉強漬けになるというのは初めての経験だったでしょう。それゆえ、夏休みの終わりと同時に一種の達成感を感じてやる気が尽き、夏休み前と同様の学習姿勢に戻って勉強が進まなくなってしまうというケースはよく見受けられます。
こうしたお子さんは、勉強をこなすこと自体が目的となってしまっている場合があります。勉強は、行きたい学校に合格するという目的を達成するための手段のはずです。勉強のために勉強できる人間はそう多くありません。今一度、何のために勉強しているのか=どうしてその志望校に行きたいのかを意識してみることが大切になってきます。
その上で、学習習慣の定着化を図りましょう。まずは学校からの帰宅後、すぐに勉強机に向かうクセをつけましょう。すぐに塾の自習室へ向かうのも良いかもしれませんね。極端なことを言えば、それで勉強をしなくても構いません。その代わり、スマホや漫画を持ち込むのは禁止です。授業のノートを見返すことからでもいいので、まずは勉強時間を確保することが大切です。
よくある失敗② 〜睡眠時間を削る〜
夏休み後の最も大きな変化は、学校が再開することで勉強時間の確保が難しくなるということです。受験勉強だけに集中できた夏休み中とは大きくその状況が変わってきます。そこで夏休み中と同等の勉強時間を確保するために、睡眠時間を削るというのもよくやってしまいがちな失敗パターンの一つです。
受験生にとっての至上命題は、勉強の”時間”をキープすることなのでしょうか。睡眠は身体と脳の休息、そして記憶の整理に重要です。従って睡眠時間を削ることは受験勉強において大きなマイナスとなります。頑張っている割に結果が出づらくなるので、やる気の面にも影響が出てしまいます。
とはいえ勉強時間の確保が大きな問題であることに変わりはありません。減ってしまった勉強時間はどう補うのが良いのでしょうか。
そもそも、勉強時間が”減った”と錯覚してしまいがちですが、学校にいる時間は学校の授業を受けているはずです。まずはそれを活用することを考えましょう。夏休み中に先取り学習を進めた人にとっては、学校の授業は自分の知識や理解に不足がないかを確認する良い復習機会です。夏休み中にこれまでの復習をした人は、その土台をもってスムーズに新単元の学習に入りましょう。2学期に学習する範囲が受験に必要であることはもちろん、内申点もまだ決まっていないということを忘れないでくださいね。
その上で勉強の効率、スキマ時間の活用が以前よりも重要になってきます。授業を集中して聞く、授業後はノートを見返す、分からないところは先生に聞く、寝る前の10分で英単語の暗記をする等々、よく言われるキホンの勉強方法をいかに徹底できるかが合格へのカギとなります。
夏休みのようにガッツリ勉強はできなくても、コツコツ勉強できれば、勉強の”質”はキープできます。
よくある失敗③ 〜誤った完璧主義化〜
夏休みを終えて実力がついてきた感覚を持つと、難問に手を出したくなります。模試で解けなかった問題は時間をかけて全問復習。気持ちはすごく分かりますし、高みを目指すこと自体は賞賛されるべきことですが、理解に時間がかかるような難問に固執しすぎるのはあまり良いとはいえない場合もあります。
難問あるいは奇問と呼ばれる問題は1問を学習するのに多大な時間を費やすことになります。その割に難問・奇問は、類題の出題が見込めないので、試験で成果を出すにはさらに大きな労力が必要となります。そもそもそういった問題は、他のライバル達の正答率も低いので、諦めてしまっても大きな痛手にならないという側面もあります。
話は飛びますが、体操競技のようなスポーツを思い浮かべてみてください。難度の高い技を練習して本番で派手に失敗するより、確実に成功する技の精度を上げた方が得点は高くなりますよね。受験でも同じです。
解けなかった難問を時間をかけて復習するよりもむしろ、より基本寄りの問題を完璧にすることを重視してみましょう。完璧を求めるべき部分はどこなのかを見極め、適切な優先順位を設定して、いかに試験当日の得点を最大化するかが大切なのです。
置かれている状況は受験生皆同じ中で、まずは勉強時間を確保する、そして少ない時間で効率的に勉強を進めていくことが重要となります。いち早く自分の勉強スタイルを確立できた人が秋、冬に成績の伸びの差をつけることができるでしょう。