夏休み。この長期休暇をどう過ごすかが大切なのは、なにも受験生に限りません。とは言え、まだ部活もありますし、習い事の類を続けているというケースも珍しくありません。そうした状況下で、どういった点を意識すべきなのか、1・2年生の夏休みの学習面のポイントを確認してみましょう。
まず、忘れてはいけないのが、埼玉県の公立高校入試では1年生の成績から内申点に計上されるという事実。現段階ですでに明確に私立志望であるならまだしも、できれば公立、あるいは少しでも選択肢を残したいと考えているならば、やはり今のうちから少しでも勉強に対する意識を高めていきたいところです。

とは言え、まだ受験といってもピンと来ない方がむしろ普通。何をどう頑張れば良いのかという方も多いでしょう。そこでまずは数学を例に、特に2年生の1学期と2学期の学習内容の関連性について見ていきましょう。
上の図は、各単元の相関関係を図式化したものです。例えば「正負の数」ができないと「文字式」はできないという具合に、下から上へと関連させて見てください。
こうして見ていくと、1年生の1学期に扱った「正負の数」や「文字式」をちゃんと理解できていないと、2学期に扱う「方程式」や「比例・反比例」で苦戦することがイメージできると思います。同様に、2年生の1学期で学習した「連立方程式」を正しく使えないと、2学期に学習することになる「1次関数」に対応できないことも明らかです。
もちろん、1学期と2学期の関連性、あるいは1年生と2年生の関連性に留まるものではなく、3年生の内容にもつながっていくものであることはイメージできると思います。さらにはこういった関係性は何も数学に限るものではなく、英語など他の積み上げ型科目にも共通して言えることです。
つまり、1学期の内容を独立した1学期だけのものと考えるのではなく、2学期、3学期、そして次の学年で苦労しないようにするためにも、これまでの学習内容を夏の間にしっかり振り返り、そして理解を深めておくことが重要なのです。
ここで改めて、1・2年生が夏休みに何をすべきか・・・もう明らかですね。1学期のテストで苦戦した方は、まずは1学期の内容を、もっと言えば前学年の内容にまでさかのぼって、徹底的に基礎固めに取り組んでください。



逆に1学期に一定の成果を修めることができたという方は、応用系の精度を高められるよう練習しても良いですし、あるいはより学習内容が高度になる2学期に備えて、先取り学習=予習に取り組んでも良いでしょう。
いずれにしても、1年で最も長い長期休暇です。これだけの期間、自分の思うように過ごすことができる休暇はないだけに、やった子とやらなかった子の間にどれだけの差が生じるのかを想像するのは難しくありません。
夏休みだからといって部活や遊びにまい進した結果、夏の成果は真っ黒に日焼けした肌だけ・・・という笑えないことになってしまわないよう、テーマの伴った時間を過ごすよう心がけてください。