講師コラムvol.4 こだわりOB奮闘中

外資系コンサルや大手商社、メガバンクから新進のベンチャー企業まで、こだわり塾のOB講師達は、卒業後も各々の就職先で懸命に頑張っています。
さて今回は、そんなOB講師陣の中でも開校当時から長くこだわり塾を支え、そしてこの春、日本を代表する某超大手電力会社に就職したM先生の今をご紹介します。



こだ塾を卒業してから早3ヶ月。社会人という新しい環境にも徐々に慣れつつありますが、“社名は有名でも、実際に自分の関わっている仕事についてはあまり知られていないんじゃないか?”と、ふと疑問に思うことも。そこで今回は、私が4月から勤めている会社、そして所属している部門での仕事についてご紹介します。

日々の業務の紹介

そもそもですが、私は電力会社の中における送配電事業会社に勤めています(数年前に1つの会社から発電・送配電・小売と事業別に分社化されました)。端的に言えば“電力の供給と供給量の調整”が私の会社の仕事です。
何故私がこの会社を選んだかというと、「大学院で学んだ専門性を活かせる」「社会貢献性が高い」「規模の大きい事業に関わることができる」といった理由からです。
では、この会社の中で私がどのような仕事に従事しているのか見ていきましょう。

どんなことをしている会社?

小難しい自己紹介になってしまいましたが、具体的に何をやっているのかと言いますと、『お客さまに安定かつ安全に高品質な電力をお届けする』ために、電力系統の運用・制御や需給運用を行う部門となります。
またまたなんだか難しい表現になってしまいましたが、要は電気をお客様へ届けるための指令を出す、電力会社の中枢を担う部門です。
また、最近では風力や太陽光といった再生可能エネルギーの拡大に向けた取り組みや、電力インフラに関する海外企業へのコンサルティング等の仕事も増えつつあります。

M先生はどんなことをしているの?

その中で私がどのような仕事をしているのかと言いますと、系統運用部門の現場である“給電所”で働いています。

給電所の役割

  1. 系統の監視と制御
  2. 系統故障時の復旧
  3. 系統運用計画
  4. 系統設備停止計画
  5. 系統保護システムの整備
  6. 系統運用ルールの策定
  7. 系統内需給バランス調整

※系統とは、発電設備、送電設備、変電設備、配電設備、需要家設備といった電力の生産から消費までを行う設備全体のことを指します。

私はこのうちの①と②が担当業務ですが、何かトラブルがあってはいけない仕事だけに、給電所では24時間365日体制三交代勤務で系統の監視業務を行っています。ですので、当然ながら私も夜勤や休日出勤がある不規則な生活を送っています。(停電とか起きると塾長からの個人的なクレームもうるさそうですし笑)

今までの経験から

学生時代に学んだことや、あるいはこだ塾での講師経験が活かされていると感じる点や反省点等についてもご紹介したいと思います。

勉強で役に立ったこと編

やはり「電気」という科学的なものを扱う以上、勉強は避けて通れません。当然ながら数学や理科は必須ですし、英語も海外の情報収集や上記のような海外コンサルティングにも必要となります。(国語に関してはもはやできて当然です)
また、特に大学や大学院時代には論文の執筆や発表を多く経験しましたが、論文を書くということは研究内容を自分の読者にわかってもらうということです。同様に発表も自分の口で説明して興味を持ってもらわなければなりません。この経験により、人に理解してもらうための文章やスライド作りは上達したと思っています。また、時には英語で執筆していたので、英語のライティング能力も向上しました。
まとめてしまえば、小学校~大学院までで習った全ての勉強内容が今につながっていると実感しています。
しかし、何か特定の知識だけあれば良いのかというと、社会はそこまで甘くなく、時間のあった学生時代に自分の研究範囲外の勉強もしておいた方が良かったかなと反省しています。また、勉強とは別に遊びでも、少しでも自分が興味あったことを時間のある学生時代にもっと経験・挑戦してみても良かったかなとも思います。

こだ塾での経験で役に立ったこと編

電力会社は大学院卒から高卒まで幅広く採用されています。ですので、同期には18歳もいます。ですが、こだ塾で講師をしていた私にとっては受け持っていた生徒と同い年とみなすことができるので、あまり違和感なくコミュニケーションをとることができています。この辺りは様々な人と交流経験を重ねてきたことが、今になって活きていることを実感しています。
また、高卒や非電気科卒の同期から電気に関する勉強の質問を受けますが、講師経験を活かして分かりやすく教えられていると自負しています。その他にも自学習の計画立案等役立つことも多いです。

その他

働くにあたって資本となるのは体です。やはり体力があればその分だけ集中して業務に取り組めるようになります(部門によっては体力がかなり必要)。そういった点で、学生時代に培った健康な体と体力は、意外と今になって活きていると思います。
また、部活で養われた先輩との上下関係構築能力もある意味役立ちます。同世代だけでなく、親世代やそれより上の世代の方々まで幅広くいるのが会社です。その中で仕事を円滑に進めるには良好な人間関係を作っていかなければなりません。


いかがだったでしょうか?本記事で電力会社の一部門が担っている仕事を少しでも知ってもらえたら幸いです。また、読者のみなさんが将来を考えるにあたって一つの参考になれば筆者としても嬉しいです。
今やっていることが何の役に立つのかと思うこともあるかもしれませんが、決してそんなことはありません。全てが将来に繋がり、糧となるので是非何事にも全力で向かっていってください!