北辰テスト、それはつまり模試ではなく、入試です。

今週末に控える第2回北辰テスト。まだ多くの中3生にとっては部活動の大一番を控えたタイミングだけに、受験しないという方も多いでしょうし、なによりその重要性を正しく認識できていないという方も多いことでしょう。
しかし、7月に控える第3回北辰テストからは、単なる模試の位置付けを超え、実質的に入試としての立ち位置を強めることになっていきます。つまり、名実ともに模試として受けることができるのは、今回の第2回が最後ということになるのです。
試験慣れや現状の実力測定のためなど、様々な思惑が入り乱れる第2回北辰テストですが、明確に意図を持って取り組むことがどれだけ大事なことなのか、北辰の位置付けを改めて確認していきましょう。

北辰偏差値と確約基準の考え方

北辰テストを“入試”と位置づける最大の理由は、私立入試における“確約”の存在です。多くの私立高校では『第3回から第7回までの5回の間で、成績の良かった2回分の偏差値を平均して四捨五入した数字』を持ち点とすると定めており、その持ち点が、各校の定める基準を超えていれば晴れて確約がもらえることになります。

埼玉県下A高校
コース 単願 併願
60 62
56 58
53 55
埼玉県下B高校
コース 単願 併願
65 66
61 62
55 58
東京都下C高校
コース 単願 併願
64 65
60 61
56 57
上記の表は実在するある私立高校の基準例ですが、例えば持ち点が62を超えれば、無事A高校の最上位コースから併願で確約がもらえるということになります。一方でB高校やC高校からは、2番目のコースからしか確約がもらえないことになります。
同様に、53で留まることになれば確約はA高校、しかも最下位コースの単願でしかもらえないということになります。

楽観的な見方をすれば、5回ある中で2回思い通りの成績を上げられれば良いわけですが、現実はそんなに甘くありません。最初のうちは緊張もするでしょうし、時間配分や難易度等、試験慣れという部分も無視できない重要な要素です。また、学校の定期テストのように教科書やワークの内容に類似の問題ばかりで構成されているわけでもないですし、そもそもテスト範囲が定期テストのレベルをはるかに凌駕しています。
大体がまだ受験生としての受験勉強が軌道に乗る前の段階で、やすやすと思い通りの成果を上げられると考える方が、あまりに楽観的に過ぎるというものでしょう。
つまり、5回中2回良い成績を取ればよかったはずが、4回中2回になり、3回中2回になり、ついには失敗が許されない瀬戸際に立たされることになり・・・回を重ねるごとにプレッシャーの増す現実を迎えることがないよう、少なくとも意識レベルからしっかり見据えておくことが大事になってくるのです。


近年は大学入試制度改革の影響もあってか、埼玉の公立高校入試においても新傾向と言うべき形式の出題が続いています。北辰テストは例年、公立高校入試の内容に即した出題形式になることが多いだけに、あまり過去問依存のパターン的な学習を繰り返していると、取り返しのつかない結果になりかねません。
早め早めの始動がマイナスに作用することはないですので、しっかりと目的意識を持って今日という時間を過ごすよう心がけてください。

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