英単語を覚え、公式を覚え、漢字を覚え、そして各科目の用語類を頭に叩き込み・・・それでも一定の水準で頭打ちになるテストの点数。その背景にある一因として、実は近年、入試や模試、各種テストの類において、記述問題の出題比率や配点比率が高まっていることが挙げられます。
例えば今年2月に実施された埼玉県公立高校入試においては、学力検査問題では69%、学校選択問題に至っては英数のみとは言え77%もの配点が記述形式によるものでした。
いよいよ来年度に迫る大学入試制度改革の一連の影響もあり、今や避けては通れない記述問題。では、記述問題への対応力を強化するにはどのような方法があるのか、ポイントを確認していきましょう。
①語彙力強化
記述問題にも“抜き出し”と“自由記述”の2つのパターンがありますが、特に後者の場合、文中の言葉を活用しつつも、最終的には自分の言葉で表現する力がないと書くことができません。ところが、記述が苦手という方ほど、そもそも根本的な部分で表現力の礎たる語彙力が不足しているケースが目立ちます。これでは打つ手がないというものです。
英単語の例を挙げるまでもなく、語彙力不足という問題は一朝一夕では解決しません。だからこそ、日々の漢字練習、そこに際しての辞書の活用、そして読書をはじめとして活字に触れる習慣など、手間隙をかけてコツコツと地道な努力を怠らないようにしたいものです。
②要点把握力
抜き出しの場合はもちろんのこと、自由記述であっても多くの場合は文字数制限が伴います。つまり、思いつくままにまとまりのない文章を書いていては、点数につながる解答にならない懸念が出てきます。そこで重要になってくるのが要点把握力です。
この要点把握力を養成するには、簡潔で良質な文章に触れることと、要約する練習の2つが効果的です。例えば新聞のコラム欄の活用などは非常に効果的です。
以前、新聞のコラム欄を毎日書き写す練習を続けたある生徒さんが、半年も経つころには一定の文字数でまとめる力や文章の構成力が飛躍的に向上したということがありました。また、それに際して不明な語句は全て辞書で調べるようにしたことで、①の語彙力強化に相乗的な効果も発揮しました。
特に今の時代は活字に触れる機会が著しく減少している背景もあり、こういった練習は多岐に渡る効果が期待できる対策の一つと言えるでしょう。
③作文練習
実は埼玉の公立高校入試において、全5科目全ての設問の中で最も大きな配点がされているのが、国語の大問5「作文」です。その指定文字数は195字以上225字以内。かなりの分量に思えますが、採点方式としては減点方式のため、減点ポイントを回避すれば得点できる仕組みとも言えます。
Manavoを運営する個別指導「こだわり」塾では、毎年夏に受験生向けの勉強合宿を実施しており、参加者は毎日課題の一つとして作文練習に取り組むことになるのですが、実際にこれまでの参加者の9割以上が、合宿明けの北辰テストで16点中14点以上を取れるようになっています。
そもそも何をどうまとめれば良いのかという入り口の地点でつまずく子も多い中、これだけの文字数に対応する力が備われば、記述アレルギーも一気に解決に向かいます。
特に受験生の場合は、早めに作文練習に取り組むことも有意義な対策の一つと言えるでしょう。