編集長コラムvol.3 伸びる子のリビング

Manavoでも様々にご紹介してきたとおり、最近では学習方法一つとっても様々なスタイルが確立され、一人ひとりの適性や状況に応じ選択することができるようになってきました。しかし、だからといって皆が一様に好成績を修められているわけではありません。
では、うまくいくのか否か、その違いはどこにあるのでしょう。様々な生徒さんやそのご家庭と接してきて感じる大きな違いの一つが『家庭環境』です。いくら口酸っぱく言ったところで、自分を律して取り組めるだけの理性を備えている子の方が少数派です。であれば、勉強に向き合うことが当たり前の環境を作り、せめて“当たり前にやるべきことは当たり前にやる”という概念を刷り込むことが重要になります。
頑張るのは子どもだけでなく、家庭として一丸となって環境を作ることも重要なことです。高学歴者に取材したアンケート結果をもとに、環境づくりのポイントをご紹介しますので、参考にしてください。

Point① 情報が垂れ流されている

  • リビングのテレビでは日常的にニュースが流れていた
  • WBSやガイアの夜明け等、親が経済番組やドキュメンタリーを見る習慣があった
  • テーブルの上に新聞が広がっていた
  • 選挙特番なども興味はなくても見ていた
  • 情報に対する感度を養うことは、学びに対するスタンス養成に大きな意味を持つと言えます。
    例えば夕方や夜はニュースが流れている。テーブルの上には新聞が置いてある。そんな些細な日常の積み重ねでも、子どもの“情報感度”は大きく変わります。
    特に近年、各種入試やテストにおける時事の重要性は増すばかりです。世の中で何が起きているのか、何が問題視されているのか、情報に触れ考えを持つことは非常に大きな意味を持ちます。
    アニメやドラマ、バラエティの類を一様に否定するわけではなく、要はメリハリ。録画して週末に見るようにしたり、平日でも時間を決めてそれまでにやるべきことを終わらせるようにするなど、娯楽との付き合い方は一考すべきでしょう。

    Point② 規則正しい生活

  • ゲームの時間は毎日30分までと決まっていた
  • 小学生時代は10時まで、中学生時代も11時までには就寝
  • 某東大生向けアンケートでも出ていましたが、高学歴者ほど、特に幼少期には十分な睡眠時間を確保していたというデータがあります。
    小学生であれば9~10時、中学生でも11時までには寝るようにすることは、脳の発育を促すだけでなく、記憶定着という脳科学的効用の観点、あるいは集中力やその持続性という観点、さらには理性を持ってタイムマネジメントする習慣作りという観点からも、見逃せないポイントなのです。

    Point③ 口ばっかりは親の方?

  • 親がスマホいじりしている印象がなく、自分といる時は会話していた
  • 親も早寝したり夜更かしの概念がない
  • 食事は基本的に親としていた
  • そもそも模範たる親がスマホいじりばかりしていたり、大きな笑い声をあげてバラエティを見ていたり、あるいはドラマに見入っているようでは説得力はありません。家庭内の空気という点でも、そうした状況下で子どもに集中して勉強させるという方がむしろ難しいぐらいです。
    率先して本を読む姿を見せたり、ニュースの話題について話し合ったり、スマホは子どもがリビングにいない時間に触れるようにしたり、子どもへの配慮という点も含め、親が模範たる姿を見せられているか自問自答してください。

    手前味噌ですが、振り返れば筆者の幼少期の家庭環境にも、かなり合致する部分がありました(当時はそもそもスマホなんてなかったですが)。子どもは親の背中を見て育ちます。まずは親としてどういった環境を作ってあげられるかは、実は一番に考えるべき大切な準備だと言えはしないでしょうか。