「ウチの子、集中力がないけど大丈夫?」
「塾のクラスがなかなか上がらないけどすぐにはやめられない。併用ってどうなの?」
「今度の定期試験まで時間がない!すぐに対策してほしい!」
こういったお子様それぞれの状況に合わせてマンツーマンの授業が受けられるのが家庭教師の強み。しかし一方で、事前にどのような家庭教師が来るのかわからず、結局来たらがっかり・・・もこれまでの家庭教師サービスの大きなリスクでした。
このようなミスマッチを防ぐために独自のアルゴリズムで家庭教師のマッチングサービスを提供するのが、スマートレーダー。
今回は、創業者でもある代表のお二人に、サービス開始のいきさつから教育にかける想いなど、様々にお話を伺いました。
聞き手:でははじめに、サービスコンセプトについてお聞かせください。
市川:オンラインで家庭教師とマッチングできるというところが一つで、ただそれだけで言うと他にも同じようなサービスはあるんですが、それだけにとどまらないで、決済とかどういう授業が行われているのかという裏側の仕組みもちゃんと提供して、講師がどういう指導をしているのかのデータまで提供しているという点と、それに学生講師の在籍している大学を限定している点が大きな特徴だと思います。
聞き手:関東圏だと東大・一橋・東工大に限定しておられるそうですね。
市川:そうです。なぜそこに絞っているかというと、僕らが思っている教育というのは、やはり何かを達成した人でなければという思いがあって、その成功体験に基づいて、独自のものを伝えて欲しいと思っているからなんです。それに、例えばですけど、難関中学を目指している方で、その合格のノウハウを伝授して欲しいと考えれば、最終学歴や経験以外にも、その志望校のOBであることというのも、一つの選択理由になると思うんです。我々のサービスでは、そういった面でプロフィールを公開していますので、普通の派遣会社に頼んでも出てこないような方をダイレクトに見つけていただければと。
聞き手:こだわり塾でも感じるところですが、保護者からするとOBが教えてくれるという安心感は大きいですからね。
モチベーションをどう喚起するかも講師の大切な役割
市川:それに、勉強って子どものモチベーションがすごく重要だと思うんです。それを、プロ家庭教師のような30代の人に教わってもあんまりモチベーションって上がらないと思っていて、それこそ大学生ぐらいの、比較的年の近い、かっこいいお兄さんみたいな人の方が、確実に子どものモチベーションも上がりますし、あんな人になりたいなという想いも。
聞き手:こだわり塾でも科目担任制を採用していて、なおかつ担任は生徒の側から指名する制度を採用していますが、何年も経験を積んだそれこそプロ講師もいる中で、学生講師を指名する生徒のほうがむしろ主流なぐらいで、そういった意味ではかなり共感できる部分がありますね。
金子:もちろん勉強がメインですが、その間に5分でも10分でも雑談する時間はあると思うんです。そういった時に、通っている学校の話とか、それこそ食堂の話で何がおいしいとか、そういった話でも子どもって嬉しがるところがあるでしょうし、そんなささやかな楽しみの先に、勉強する時間を待ち遠しく感じる場面が出てくるとも思いますし。
聞き手:そもそも“大人”って、親に代表されるように子どもからすると怒られる対象でもあって、それが塾なり家庭教師なり、そこでも親と同じような人が出てくると、そりゃ子どもの側からすると「うわー・・・」ってなりますよね(笑)
金子:それに生徒の状況を鑑みたときに、講師の側としても“学年で最下位取ったこともあるけど、東大です”みたいなところってすごく大事だと思っていて、もうずっと成績が良い先生って成績の悪い子の気持ちが分からないと思うし、どうその生徒の成績が上がっていくかっていう道筋が見えてこないと思うんです。なので、従来の家庭教師も塾もそうですが、質を担保する上で授業の標準化ということも大事になってくるとは思うんですが、僕らのサービスはその教え方のところは全く標準化していなくて、様々な経歴や価値観という部分も含めて、合った先生を見つけていただくことに重きを置いています。
聞き手:そういった点でも、実は当塾でも指導方法の標準化というのは試みたこともなく、十人十色の生徒がいるならば、十人十色の先生がいるべきだと考えていて、要は合った先生に出会えるかどうか、あるいはどうやれば出会えるのかを考える方が、よっぽどその生徒さんのためになるんじゃないかと。非常に共感できます。
ところでお二人も含めて、最高学府と呼ばれるような面々が何百人と集まっていて、接していて感じる成績UPの共通点というようなところはありますか?
金子:これはウチに登録している学生達にも以前アンケートを取った事があるのですが、「勉強において1番大事だと思うことはなんですか?」との問いにダントツでNo.1だった回答が「勉強の計画性」なんです。目標への方向性やそこまでの距離というものをちゃんと把握して、逆算的に計画を立てること。シンプルにやることを明確にしようという点でもそうですし、何より闇雲にやるよりはるかに効率的になりますよね。あとはその計画性が妥当なものかというところで。
講師が主役ではなく、講師はあくまでもサポーター
聞き手:そういった点も含めて、塾や家庭教師の使い方みたいなところを、ご自身のご経験という部分も含めてお聞かせ頂ければ。
市川:これを言うとなんですが、実はあまり肯定派ではないんですよね。ウチに登録している学生達と話してみても、「塾とかあまり関係ないよ」と。結局、ちゃんとやるのであれば教材とかも選ばないですし。もちろん良い問題をそろえた参考書とかはありますし、良い教え方をしている先生というのもいると思うんですが、むしろそれ以上に、ゴールに向けてのスケジュール感とか、いつまでにどんなことをやらなきゃいけないかとか、そういう情報の格差というのは感じてて。
金子:ウチのサービスにも通じるところで、もちろん教え方が上手いとか合うとか合わないとかあると思うんですけど、それ以上に、いかにしてゴールまで適切なアプローチをしていけるか。その辺りも家庭教師として近い距離感と信頼感があれば聞けますし、聞く気にもなりやすいと思うんです。そのサポーターとしての立ち位置にこそ最大のメリットがあるんじゃないかと。
聞き手:実はこだわり塾でも、入塾される際に必ず「塾に入ったからといって成績伸びると思わないでください。週に1回や2回の授業で簡単に成績伸びるなんてそんな虫の良い話はないですよ」とハッキリ伝えるようにしていますが、結局、伝えたい本質は同じで。
金子:同じですよね(笑)主役はあくまでも生徒ですから。
聞き手:とは言え、例えば中学生にしても高校生にしても、しっかり理性をもって歩みを進めていける子がどれだけいるのかというと、それも現実的にどうかという問題があると思いますが、そういう点で重要なのは何だとお考えになりますか?
市川:僕はもう環境だと思います。家庭や学校。周りの人が勉強しているかどうか。そしてそこに自分が同調するかどうか。もちろん学校自体が進学校かどうかとかも大きいとは思いますが、その中でもいかに上位の環境に位置できるか。特に中1以降、それが大事だと思います。下の方に入っちゃうと、脳内で勉強するとか考えないで進んでいっちゃうので取り戻すのは大変だと思います。
金子:あとは成功体験の積み上げと言いますか、親の接し方も含めて、動機付けが身近なところであればあるほど、そっちに向かっていくと思うんです。僕は中学受験も経験していますけど、中学受験って親のエゴだと思っているんですが、かといってそんなに押し付けられるでもなく、それとなく勧められて、それでも成績も伴ってくると褒めてくれるし。あとは今思うと、英会話とかピアノとか低学年から週5ぐらいで習い事もさせてもらってましたし、じゃあそれで英語がしゃべれるかとなると全然そんなこともないんですけど(笑)でもそういった環境を与えられていたのは大きかったのかなと。
勉強はちゃんと役に立つ!
聞き手:それでも勉強って楽しいばかりじゃないですよね。特にほとんどの子にとって、最初はやらずに済むならやりたくないよと。そういった中で、「学校の勉強なんか何の役に立つんだ?」っていうのは誰しもが一度は思うところだと思うんですけど、勉強やってて良かったってのを今でも思うことはありますか?
金子:めっちゃありますよ。めっちゃあります。特に数学なんかは、数字を扱う学問だって認識しがちですけど、それだけじゃなくって、いかに論理的に組み立てていくかっていうところとか。特に数学の領域でも大学になると集合論とか論法系の話になってきますけど、あれって完全にロジックの話じゃないですか。そういうところって、いまだにビジネスとか人と会話するときにでも適応できる話ですし、あと純粋に数字に強いっていうのはいろんなところで役に立つ。もちろん数学に限らずですけど、何にでも役に立ちますよね。僕の場合は開発ずっとやってるんで、それはもうありますよね。プログラミングも数学のロジックも同じで、いかにキレイに書くかとか。それこそ数学とかって答案をキレイに書くとかめちゃくちゃ大事じゃないですか。ノートキレイに取るのも。そういうところ一緒ですよね。
聞き手:こういう話を伝えたいですよね。誰もが通る道なんで。でも同じ意見で安心しました(笑)
では最後に読者に向けて、何かメッセージを頂ければ
市川:僕の親が一番良かったのは、勉強しろと言われなかったことで、言われてたら絶対に嫌になってたと思うんです。だから、いかに自発的に子どもが勉強をする環境を整えてあげられるか。それを考えてあげて欲しいです。特に、勉強しないとどうなるのかを、それとなく伝えてあげたり、例えば家庭教師も身近な存在でオススメです(笑)
聞き手:そういえばウチの子で一人印象深い子がいて、その子も最初は言ってもなかなかやらないですし、素直でもなかったんですけど、ある時急にスイッチがバーンって入って、成績も伸びだして。で、何がきっかけだったのか聞いてみると「塾の先生みたいになりたい」と。勉強ができて、話も面白くて、カッコ良くて・・・なんかこういう先生みたいになってここで働きたいって。それがスイッチが入るきっかけだったそうですが、そういう意味では、そう思わせられる距離感とか、それも環境の一つだと思いますが、家庭教師もすごい距離感でお付き合いできるサービスなので、良いですよね。
金子:あとは人と自分を比較することから逃げている子はできるようにならないと思うんですよね。別にメチャクチャ優秀な子と比較する必要はなくて、自分の周りにいる同じレベルの子でも良いので、アイツと同じは嫌だなとか、アイツができるということは自分にもできるんじゃないかとか、負けたくないとか、そういう比較する対象を持つことは大切だと思います。スポーツのように身体的な部分が持つ要素が大きいわけでもないですから、勉強は。
聞き手:本日は貴重なお話の数々、ありがとうございました!
Profile

金子貴載氏
立名古屋中学校/高校を卒業後、東京工業大学4類に現役合格。
同大学・大学院経営工学専攻に進む。
卒業後は、日本アイ・ビー・エムにてエンジニアを経験。
学生時代には、家庭教師・塾講師として小学生・中学生・高校生20名以上を指導。学年最下位から這い上がった経験を生かして、勉強の本質指導に注力し、第一志望合格者を多数輩出。

市川靖裕氏
私立鎌倉学園中学校/高校を卒業後、東京工業大学6類に現役合格。同大学・大学院土木工学専攻に進む。
卒業後は、日本アイ・ビー・エムにてエンジニアを経験。
学生時代には、東進衛生予備校にてチューターとして、述べ100名以上の生徒を担当し、志望校合格に導く。同時に家庭教師として小学生・中学生・高校生を10名以上指導。