どうしても英数国といった主要3科に目がいきがちですが、その分、公立高校受験生にとって関門の一つになってくるのが理社対策です。
暗記事項も多いため地道な対策も要しますし、とは言え地道な作業にポジティブに取り組めるタイプはそう多くなく、そういった側面が一層理社対策から目を背けたくなる一因にもなっています。
ただ、ポイントを踏まえれば比較的対策がしやすいのも理社の大きなポイント。そこで今回は、いかに理社を克服していくべきか、勉強方法のポイントを確認していきましょう!
理科は単元ごとに一つずつ!
理科は5教科の中でも多様な分野を取り扱う特殊科目の一つです。化学や物理のように数学的要素の要求される分野もあれば、生物や地学のように比較的暗記要素の比重が大きい分野もあります。
そしてそれが、得意分野と不得意分野がくっきりと分かれやすい、言い換えれば、網羅的に克服して得意科目にできる子が少ない要因になっています。
とは言え、理科を苦手にしている子にとってはポジティブな要素もあり、分野ごとの特性がハッキリしているからこそ、1単元ごとに丁寧に潰していけば得点源化への道も開けてきます。特に入試戦線においては、特定の単元に出題が偏る傾向もありますので、まずはそういった頻出事項から順々に対策して克服することを重ねていきましょう。
頻出単元/過去5年間 | 注目単元 | 備考 |
---|---|---|
4回 | 太陽系と惑星 | 天体の見える位置は頻出 |
生命を維持する働き | 刺激や反応とも合わせて覚えること | |
酢溶液とイオン | 化学反応式やイオン式は必ずマスター | |
仕事とエネルギー | 基本公式は必ずマスター | |
電流と磁界 | 公式に加え定理等もインプット |
理科は実験対策が高得点への道
近年は膨大な資料をもとにした実験系の出題が定番化しています。まるで国語の問題かと見まがうほどの問題文を読み解き、何をすべきかの方針を立て、問題にあたる必要があります。
そうした状況においては、まずは問題文が何を要求しているのかを正しく読み取る読解力が前提になってきます。ですので、例えば数学の文章題対策も理科対策として有効ですし、国語の読解演習を重ねることも同様に意味を持ちます。
特に化学や物理分野においては、回答を得るための立式から要求されるような出題形式も増えていますので、数学の文章題対策は理科においても非常に効果的な対策として直結していくことは胸に留め置くようにしましょう。
また、実験の図や植物のイラストなど、テストにおいてもそのまま出てくるような頻出の定番モデルが理科にはたくさんあります。
必要以上に難しく考えることはなく、脳みそだけでなく視覚的にも問題をとらえられるよう、様々な問題に数多く取り組むことも、シンプルですが間違いのない対策です。
社会(歴史)は年号を覚えるよりも流れや因果関係を理解しよう!
ひと昔前と異なり、歴史問題で年号を問う問題はほぼ出題されません。それこそ保護者当時であれば必死に語呂合わせで覚えたという方も多いでしょうが、今はそうしたことに時間をかけるぐらいなら、他に有効な手段はあります。
その一つが、歴史漫画の活用です。
特に歴史の登場人物は名前の似通っていたり難読なケースが多いことも、“暗記”しにくい要因の一つになっていますが、視覚的にポップな“イメージ”と向き合えば、比較的インプットも容易になりやすいものです。
また、軽妙な展開で歴史の流れを押さえやすいことも歴史漫画を推せる要因の一つです。
もちろん、出来事の起点になる年号であったり、超重要と言えるものは覚えた方が良いのも事実ですが、まずは第一歩として、是非歴史漫画に目を通してから学習に取り組むことが心理的障壁を下げる意味でもおススメです。
社会も資料の読み取りが高得点には不可欠
暗記要素の強い科目の印象がある社会でも、単純な暗記のみで得点を取れる問題は年々少なくなってきています。それに代わって得点の割合を増してきているのが、資料の読み取り問題です。
用語の暗記ももちろん重要ですが、地理、歴史、公民範囲のそれぞれに出現する様々な資料から読みとれる事は何か、もしくはその背景にあるもの、それをしっかりと資料集などで把握しておきましょう。
何かと勉強が疎かになりがちな理科社会ですが、国語や英語、数学等と比べれば暗記要素の比重が大きいことも事実で、直前まで蓄積した分だけ学力の伸びやすい性質を備えた科目でもあります。
それぞれの特性を理解し、柔軟に勉強の仕方を変えながら、ますます佳境を迎える受験戦線を乗り切りましょう!