突然ですが、あなたはどんな基準で塾を選んでいるでしょうか?集団指導か個別指導か、アクセスの良さ、実績の有無、雰囲気、などなど、様々な要素で比較することができるでしょう。
しかし、塾に通う以上は「成績をあげること」「志望校に合格すること」が第一の目的であり、それを踏まえると、やはり”講師の指導力”という点を無視することはできないのではないでしょうか。
そこで今回は、最近では集団指導塾を上回るほど人気の個別指導塾にフォーカスし、特に授業という観点で重要な見極めポイントを紹介していきたいと思います。各塾が以下の要素を満たせているか確認し、塾選びの参考にしてみてください。
①ホワイトボード等が有効活用されている
ホワイトボードを使って授業を行っている塾が良い塾?いまいちパッときていないかもしれませんが、これは言い換えると、生徒に対して自分のノートを取る機会を十分に与えている塾(講師)が意外と少ないということなのです。
講師が直接生徒のノートに書き込んだり、講師が書いたり印刷したものをそのまま生徒に渡してしまうと、一見効率的なように見えて、上記の機会が奪われることになってしまいますし、それこそが実は学習効率=勉強したことがしっかり身につくかどうかの点で非効率的な要因になってきます。
一方で、ホワイトボードに書かれている内容を、自分なりにノートにまとめてみる、インプットした内容をアウトプット(ノートに書く)してみることによって、頭の中が整理され、理解度の向上につながるというわけです。
また、自分自身で書いてみるという行為を通して、自分が理解できていないところ、覚えていない箇所を把握することができます。理解不足や語彙力不足、暗記不足によってノートを書く手が止まれば、そこがその時点での弱点であるということになります。
②一からの細かい説明をしすぎていない
細かく丁寧な説明、何がダメなのでしょうか?一見良い指導に思えますが、注意点があります。
講師がひたすら解説や解法を説明してしまっている状況、これは生徒にとっては極めて受動的な学習になってしまう懸念があります。これでは、学習内容の十分な定着を図ることはできません。ではどのような指導法が正解なのでしょうか?
正解は、発問や問いかけを通して生徒自身に思考を促し、理解度を確認しながら進めていくということです。答えを全て言ってしまうのではなく、ヒントを与え続けながら生徒自身に答えを導いてもらう、ということです。これは先ほどの話とも共通しており、やはり何かしらのアウトプットは学習内容の定着に必要不可欠ということがイメージいただけるのではないでしょうか。
場合によっては、1からの細かい説明も必要にはなってくるでしょう。しかし、一度に大量の説明をしすぎることで消化不良や混乱を招くような事がないよう、講師が配慮できているかも重要なチェックポイントです。
③小刻みに演習を挟めているか
多くのテキストで、順番に並んでいる問題の一つ一つが全く同じ難易度になっているわけではありません。例えば一つの大問において、問題形式が一緒でも難易度は少しずつ上がっていっている、というパターンが一番多いのではないでしょうか。
この場合に重要なことは、まとめて大問ごと解かせるのではく、細かくチェックを挟み、理解度を確認しながら少しずつ進めていくということです。
わからない箇所がまだ少しでもあれば、大問の最終問題などを解いても何も得ることができません。一つずつ問題を確認していくことによって、ひとつ前の問題との比較を通してつまずいた箇所をピンポイントで特定することができます。
④生徒の要求を聞きすぎない
改めて個別指導のメリットを考えてみると、最大のポイントはやはり生徒一人一人のペースに合わせることができるという点なのではないでしょうか。集団指導では教室ごとに同じペースで授業が進んでいくため、一人一人のペースに配慮するには限界もあります。
しかし、こういった個別指導の利点にも注意点があります。授業内容や進め方について、生徒や保護者の要求を聞きすぎてしまうと、成績の維持向上を図ることができない懸念が生じるのです。
相手が中学生などであれば、どんなにやる気があるように見える生徒でも、十分な自主性を持っている生徒は少ないものです。また、的確に自分の課題を認識できているようなケースはいよいよ稀です。しかし、これは仕方がないことでもあります。だからこそ、講師自身が生徒の長期的な成長を考え、時には心を鬼にし、過保護でも突き放すわけでもなく、適切な距離を保って指導をすることが大切になってくるというわけです。
さて、個別指導塾の指導方法という点でチェックすべきポイントをいくつか挙げてみました。しかし、これらは塾のHPを見たり話を聞いたりするのみではなかなかわかりづらいものです。ですので、実際に授業を受けてみて、肌で体験してみるのが一番わかりやすい方法かと思います。