大学への進学率と実態

高校を卒業した先には、大学、専門学校、短期大学、就職、留学など様々な選択肢が広がっています。高校生までは、親をはじめ周囲の人々の提言を参考に進路を決めていた、と言う人も多いかもしれません。

しかし、現在の日本の法律では18歳はもう立派な大人。自分自身が何をしたいのか、その上でどんなことを学びたいのか、じっくりと考える必要があります。

そこで今回は、大学進学の実情と、進学で悩んでいる人に向けた参考ポイントを紹介したいと思います。

大学への進学率の実態

大学に進学する人はどのくらい?

先ほども述べた通り高校卒業後には様々な進路の選択肢がありますが、最もメジャーとも言える「大学」進学を選択している人はどの程度を占めるのでしょうか。

文部科学省の調査によると、2021年度の大学進学率は54.9%となり、過去最高を記録しました。短期大学や専門学校を含めれば、高校卒業後も何らかの学業の道に進むという人がなんと83.3%にも上ると言う結果が出ています。

大学全入時代

最近では「大学全入時代」という言葉も随分と聞き慣れてきました。全員が大学に進学してしまいそうなニュアンスですが、実際は少し異なります。

これは、2024年入試時までに入学希望者総数が入学定員総数を下回る状況を迎えることを指す言葉で、大学への進学者が増えている、と言うことを直接表す言葉ではありません。

また、実際に定員割れ状態に陥っている大学も多数生じている一方で、国公立大学や上位私立大学では、以前高い入試倍率を維持しているところも多く、全入時代の到来によって全体に入りやすくなったわけではなく、二極化が進んでいるという方が正しい解釈と言えそうです。

なぜこうなった?

少子化に加えて、以前より業種も細分化されましたし、学びの機会も随分と多様化が進んだことで、大学以外での学びを希望する学生が増えているといったような理由が挙げられると考えられます。

大学進学の必要性

こうした状況下にあっても、大学に進学することのメリットはなんでしょうか?

1. 高いレベルの教育

まずあげられるのは、自分が興味のある学問領域や専門分野に関して、高いレベルの教育を受けることができること、なのではないでしょうか。大学というものは、高校のように単純な教育機関ではなく、研究機関としての機能もあります。ですから、場合によってはその学問の第一人者や世界的にも権威があるような教授から、直接教えてもらえるということもあり得ます。

2. 「大卒」という学歴

現実問題、大学を卒業している事が絶定条件となっているような職種は多数存在します。医師や弁護士といったような専門職は当然、一般企業でも、人気の高い有名企業に就職するには、大学の卒業が必須と言えます。

また、高校卒業時点では具体的に将来自分がやりたい事、夢がはっきり決まっているという人は少ないと思います。その場合には、大学に入学して、その4年間でやりたい事、興味があることを見つけるというのも一つの手です。

大学を卒業することによって、その後の進路の幅が圧倒的に広がるのです。

大学への進学が全てでは決してない

大学を卒業することには多くのメリットがありますが、それが必要ない場合もあります。

1. やりたいこと、進路が明確に決まっている場合

この場合には、大学に進学する必要性はない可能性が高いです。

例えば、スポーツ選手を目指している人が大学に行くメリットは決して大きくありませんし、それに限らずとも美容師や看護師等の仕事は、国家資格が必要になるので、専門学校に通った方が良い選択となるでしょう。

2. 学問的な勉強が好きではない場合

学問的な勉強が苦手な人、またはそれらには興味がない人は、大学に行くという選択肢はもしかしたら避けるべきかもしれません。それまでの学生生活でそれを感じていたのなら、その他に自分が得意なことややりがいがあることを見つける、というのが最善の選択肢になるのではないでしょうか。

まとめ

大学への進学に関して様々なことを述べてきましたが、やはり重要なのは、現在の自分をしっかりと見つめた上で、現状にあった最善の進路を選ぶことです。

人生を大きく変える可能性があることなので、よく調べ、考え、決めてみてください。