編集長コラムvol.38 塾の商品は授業だけじゃない!?

突然ですが、塾にとっての「商品」とは何でしょう。

もちろん「授業」と答えられる方が大半だと思います。もちろんそれは塾の提供するサービスとして事実です。しかし、果たしてそれが本質的なものなのか、生徒さんや保護者の方々がそれを求めて塾にお越しになるのかと言えば、実はそればかりではないというところもあるのではないでしょうか。

では、何をもって皆様が塾に通うことを決断されるかと言えば、「成績を上げたい」「志望校に合格したい」という、つまりモノではなくコトを願ってのことではないかというのが、冒頭の提起のきっかけです。

事実、3-4月にかけて、筆者が塾長を務める個別指導「こだわり」塾でも多くの方々が新たに入塾されましたが、その方々が何を期待しておられるのか、そして塾では何をもってお応えすべきかを考えると、授業は手段の一つに過ぎす、上記のような本質的な願いを持ってというのは疑いのないところです。

回りくどい前置きになりましたが、では、何をもってそれを実現するか。

例えば、成績を上げるにも志望校に合格するにも、まずは本人の自発的な学習動機がなければ、どうしても授業だけではその効果は限定的です。

言うなれば塾はあくまでも黒子。24時間横に張り付いているわけにもいかないからこそ、主役たる生徒自身がきちんと自分の足で歩んでいかなければ、目標達成は思うようにかないません。

また、学習動機こそ生まれても、実際に何をどうやれば良いのか、これも上記の通り24時間張り付いているわけにはいかないからこそ、進むべき道=何をどうやるかを示してあげることは必要な条件の一つです。

さらには手軽に様々な情報が手に入る時代だからこそ、精査された新鮮で使い易い情報を欲している方も非常に多く、そうした要望にお応えできるだけの情報力もまた、塾にとってイチオシ商品であるべきサービスの一つと言えるでしょう。

塾に限らず、身近なところではお医者さんをはじめとした先生業の多くに対して、おそらく皆様は抱えている悩みの「問題解決法」を求めておられるのではないでしょうか。

「志望校に合格する力がない」「家では全く勉強しない」「頑張ってはいるが成績が伸びない」等々、様々なお悩みの解決方法を塾に求めておられるのではないでしょうか。

だからこそ、体験授業をはじめ、塾の見極めフェーズにおいては心おきなくそういったお悩みをぶつけて欲しいと思います。

塾には通常何人もの先生がいますし、特に個別指導形態の場合は先生が合わない時の交代にも比較的スムーズに対応してくれるケースが多く、そういう意味では、実は「授業」そのものはお悩み解決にとってそこまで後戻りのできない重大要素ではありません。

皆様にとって、その塾が本当にパートナーたる存在としてふさわしいか否か、より本質的な部分でのコミュニケーションを大事にして欲しいと思います。