今年の共通テストでも話題に・・・というよりもはや物議を醸したと言っても過言ではないのが、各科目における文章題の長文化傾向です。
これは何も今年の共通テストに限った話ではなく、すでに公立高校入試や北辰テストでも明らかになっていたものですが、一方でそこへの対応力、つまり根本的な読解力という点に関しては、大きく二極化も進んでいるというのが実際に教育現場に身を置く者としての率直な印象です。
この問題のやっかいな点は、そもそも不自由なく使えている日本語がベースにある分、小学生のうちは比較的露見しにくく、中学に進学して、あるいは受験生になって、模試などで初見の長文に触れるようになって初めて(残念な)驚きを持ってその結果に相対することになる傾向にある点です。
では、日本語として円滑なコミュニケーションが取れているにも関わらず、なぜこのような問題が生じるのでしょうか。
もちろんテクニック的な部分に原因を求められるケースもあるのですが、実は多くの場合、語彙力不足という問題が根底にあるケースが大半なのです。
例えば、お子様のテストの答案用紙を見てください。記述問題で初歩的なものも平仮名で書いていたりそもそも空欄であることが多かったり、あるいは数学でも問題の解答条件をまるで満たさないトンチンカンな解答をしていたり、もちろん漢字問題で誤答が多い場合は言うまでもなく。これらは全て語彙力不足に端を発する象徴的な現象です。
さらには教科書を音読させてみると、「教科書が読めない」「問題文を読めない」という驚きの現象は決して珍しいものではなかったりします。これでは国語力云々以前に、何をやっても得点できるわけがありません。
では、こういった国語力不足を解消するにはどういった手段が有効なのでしょうか?アプローチの方法論としては幾通りもあるのですが、一つの手段としては「速読」も有効なものの一つです。
そもそもなぜ語彙力不足が生じているかと言えば、本質的な部分で語彙に触れるケースが圧倒的に不足しているからです。つまり活字に触れる機会を確保することが、まずは語彙力不足解消に向けての第一歩となるのです。
そういう意味では、速読は短時間に一定の活字に触れる機会を創出する上で有効な手段となります。
事実、ある調査では、速読力と各科目の偏差値には明らかな相関関係が認められました。
最近の速読コンテンツは、単なる読書速度の向上に限定されるものではなく、右脳開発系コンテンツやテストでの得点力強化を図るコンテンツまで、多様な機能を備えています。それで国語をはじめスンナリ成績が上がるかと言えばそこまで安易な話でもありませんが、ゲーム感覚で取り組める側面もあり、国語力不足解消に向けた第一歩としては効果的と言えるでしょう。