新教科書の導入に伴って、学校での指導方針に大きな転換が見られるようになったことは触れてきた通りですが、では、実際にどういった対策をすれば通知表対策につながるのでしょうか?その前にまずは、昨春から適用されている新指導要領における評価軸の推移について確認しましょう。
これまでは「関心・意欲・態度」といった先生の主観に依存しがちな項目が上位に来ていたことで、これが諸々の不満の元凶にもなっていた事実があります。
ところが新指導要領においては、評価項目1・2位に学力に依存する項目が浮上。主観的な評価軸からより客観的な評価軸に変わったことで、点数が悪くとも態度がマジメなら救済されるのではという期待はし辛くなり、定期テストにおける得点の重みがより一層増すことになりました。
しかし、これまで以上にテストの点数が通知表の評価に直結するとは言え、では実際に何点取れば通知表が「5」になり、何点取れないと「4」はつかないのでしょうか?
内申点の評価軸は、保護者の当時は相対評価に基づくものでした。つまり、何点取ったか以上に、学年の中でどれぐらいの位置にいるか、要するに順位の方が目安としては重要だったわけです。

もちろん、意欲や態度といった評価軸が無くなったわけではないので、特に提出物関連に紐づくプラスマイナスの要素が無くなったわけではありません。しかし、これまでのデータからは、図のように75点程度で「4」、90点以上取ればかなりの確率で「5」になります。
問題はここからです。新たなテキストになったことで、テストの傾向にも変化が生じ、伴ってテストで点数を取るための対策にも変化が不可欠になりました。
しかも、ここまでの内容を見る限り、すでに2年間、英語学習を進めてきている新3年生と、入学と同時に切り良く新テキストで学習してきた新2年生では、その出題傾向にも大きな違いが見て取れるのです。
そこで、学年別のテストの出題傾向と想定しうる対策のポイントを確認しましょう。
新3年生の内申対策!
新3年生は、すでに取り組んできた学習方法を急転換することには戸惑いも大きいと判断されたのか、基本的にはこれまで通りの文法軸の指導、およびテストでの出題傾向が継続されています。
つまり、文法理解に努め、教科書特有の表現をマスターするという、王道のテスト対策がそのまま活きると言えるでしょう。
新1年&新2年生の内申対策!
新2年生は、これまでの指導方法に捉われない為、先に触れたラウンドシステムに則った指導方針、および出題傾向にあります。
中学英語を一変させる!?ラウンドシステムとは?
具体的には、これまでと比較しリスニング関連に大きな比重のかかった出題傾向でした。
ここで課題になるのは、表現として知っているかどうかに依存することなく、初見でも対応できる英語力が養われているかです。根拠を有するか否かは特に記述で差がつく要因になる為、極力文法的根拠を伴わせられるような学習に努めることが、テストにおいて差のつく大きな分岐点になると思われます。
加えて、今後もリスニングが一定のウェイトを占めることは想定すべきですので、耳を慣らす観点からも、リスニング対策は日々一定の取り組みを継続すべきでしょう。