勉強を進めていく中で、”アウトプット”という言葉を誰もが一度は耳にした事があると思います。
インプットとセットで使われる事が多いこの言葉ですが、皆さんはその本質を正しく理解し、自分自身の学習に活かせているでしょうか?今回は、効果的なアウトプットの方法とその効果について説明していきたいと思います。
アウトプットとは?
そもそもアウトプットとはなんでしょう。英単語「output」の意味としては、「出力・生産」などの意味がありますが、これを勉強に置き換えて考えてみましょう。
教科書を読む、単語を覚える、公式を理解するといったような、言わば知識を脳に蓄える作業であるインプットに対して、問題を解く、他人に説明するなど、インプットしたものを利用していくのが”アウトプットする”ということになります。
では、具体的にはどのようなやり方があるのでしょうか。
テストを受ける、問題を解く
アウトプットの最も定番的なやり方として、テストを受けたり、問題を解くというものがあります。「演習」とも言い換えられるかもしれませんが、多くの場合は、何となく「勉強=問題を解くこと」と無意識にやっているのではないでしょうか。
この王道のアウトプット方法も、未定着事項やミスの傾向などを把握できる有効な勉強方法であると考えれば、その取り組み方にも意識の変化が生じ得ます。
特に入試やテストの直前では、正確に時間を測ってアウトプット中心の勉強をし、いかにミスなくスピーディーに問題をこなせるか、にこだわって勉強していきましょう。
他人に説明する
実践している人が意外と少ない一方で非常に有効なアウトプット方法、それが他人に説明する事です。
学習して蓄えた物を自分の言葉で置き換えて他人に説明することは実は簡単なことではなく、正確に理解していなければ、相手に伝わる言葉がスッとは出てこないものです。
見方を変えれば、そこで説明できないところ=まだ理解し切れていない、覚えられていないところ、ということになります。友達や先生などに協力してもらい、ぜひ実践してみてください。
ノートにまとめる
これは先ほどの「他人に説明する」と似ている部分がありますが、学習したことを文字にしてもう一度書き直してみる、図やイラストにしてみるなど、ノートにまとめる事は非常に効果的なアウトプット法の1つと言えます。
どんなにわかりやすいと評価されているものでも、やはり他人の言葉で書いてあるものは理解し辛かったり頭に残りにくい場合もあります。ですから、黒板の板書などでも、それをそっくりそのまま書き写すよりも、一度頭で整理してから自分がわかりやすいように書き換えた方が忘れにくくなるでしょう。
インプットとアウトプットの割合
インプットとアウトプットの割合については様々な事が言われていますが、この比率に正解はなく、勉強の進度によって変えていく、というのが正解になります。
例えば全く新しい単元を学習するに当たって最初からアウトプットをしても意味がありません。ほとんど解けずに、説明できずに終わってしまうはずです。ですから、初めのうちはインプット中心の勉強をした方がいいことになります。
逆にもうすでに学習し点数を取れている分野を復習するに当たって、もう一度インプットからやっても時間の無駄になってしまいます。この場合はアウトプット中心にし、最小限の確認だけ行うべき、ということになります。
自分が学習している範囲がどのような立ち位置にあるのかを正確に理解し、柔軟に勉強の仕方を変えていきましょう。
アウトプットの効果
覚える作業、という点においてはもちろんインプットが重要になってきますが、それをアウトプットする事によって、相乗効果的に、飛躍的に定着力がアップします。
聞いただけの事は忘れやすいが、書いた事はそう簡単には忘れません。書いているときの状況などが引き金となって記憶を呼び起こしたり、そのときの感情と結び付いて記憶が定着しやすくなります。五感と記憶は密接に結びついているというわけです。
とにかくアウトプットする、文字に書き起こしてみる。ぜひ実践してみてください。