コロナ禍でも頑張る大学生

コロナ禍の大学生と言えば、皆さんはどんな印象を抱くでしょうか?

多くの人は「キャンパスライフも満喫できず、自宅に軟禁され、孤独で、可哀想。」というイメージを持たれているかもしれません。しかし、その一方で、コロナ禍でも新たな挑戦を始め、成長を続けている大学生も存在するのをご存知でしょうか。

今回は、起業を試みた大学生の話を通して、コロナ禍でも頑張れる大学生の特徴を見ていきます。

そもそも大学生は学業以外にも新たな挑戦をすべきなのか?

本題に入る前に、大学生が学業以外にも新たな挑戦をすべき理由を整理しておきましょう。結論から言えば、学業だけでは伸ばせない「ポータブルスキル」を伸ばせるからです。

ポータブルスキルとは、コミュニケーション能力など、専門領域外の全ての領域に応用できるスキルの総称です。ポータブルスキルには、取り組む題材によって、伸びやすい能力と伸びにくい能力があり、例えば、学問を学ぶことは「課題解決能力」を高めやすく、サークル活動や部活は「コミュニケーション能力」を高めやすいとされています。

大学生はいずれ社会人になるわけですが、将来求められるのは「様々なポータブルスキルを平均的に備え、その上で強みがある人材」です。

従って、専攻の学問を学ぶことはよく大学生の本分と言われますが、それだけでは一部のポータブルスキルが十分に育まれません。漏れなくポータブルスキルを高めていくためにも、学業の他にも新たな挑戦をする必要があるのです。

コロナ禍でも挑戦できる大学生の特徴

それでは、コロナ禍という難しい環境の中でも起業を試みたHさんの話を紹介しましょう。

彼は大学生ながら、高校時代の友人と「爬虫類のマッチングサイト」のビジネスを始めた学生です。後々、その友人と方針が合わなくなり、現在はもうこのビジネスは行っていないとのことですが、この貴重な経験から、大きな成長の糧を得られたであろうことは想像に難くありません。

そんなHさんのエピソードから、コロナ禍でも挑戦できる大学生の特徴を見ていきましょう。

特徴1「人とのつながりを大切にしている」[挑戦へのチャンスの増加]

1つ目は、人とのつながりを大切にできることです。

起業という挑戦をしたHさんですが、意外にもそのきっかけは「元々起業をしようと思っていた」などではなく、「友達にパソコンを貸したら、一緒にやらないかと誘われた」という実にひょんなことだそうです。

一般的なイメージで語られる学生生活はもちろん、サークル活動やアルバイト活動など、コロナ禍で新たな挑戦のきっかけが減った中、そのチャンスが潜んでいるのは身近な人との繋がりなのかもしれません。

従って、人とのつながりを大切にできる人ほど、挑戦へのチャンスが多くなるといえます。

特徴2「とにかく始められる」[チャンスを活かす]

2つ目は、とにかく始められることです。

起業を始め、新たな挑戦をするときは、短期的に見ると間違いなく非効率なことをやらなくてはいけないシーンがやってきます。

例えばHさんの場合は、HP開設のための時間をアルバイトに費やした方が、直近1ヶ月の収入という面では間違いなく効率的です。しかし、この短期的なメリットだけに目を向けてしまうと新たな挑戦を始めることはできません。一方でHさんは、これをスキルの習得や将来的に得られる収入への「投資」と考えていた為、非効率だとは感じなかったのです。

このように、短期的なメリットだけに踊らされず、とにかく始めてみることができる人ほど、挑戦のチャンスをつかみやすいといえます。

特徴3「高校生までの成功体験や失敗体験を内省できている」[挑戦マインドの構築]

3つ目は、高校生までに様々な経験をし、それを内省できていることです。

上記で示した、人との繋がりやとにかく動くことは、その重要性を頭で理解するのは簡単ですが、実際に行動に移すのは非常に難しいことです。実際に動くには、様々な経験をし内省することで、実体験としての学びを得るしかありません。

Hさんの場合は、高校サッカーでの不完全燃焼感から「たとえ困難なことでも、マイナスなことばかりに目を向けない方が良い」ということを学んだそうです。

Hさんのように、様々な経験をし、そこからしっかりと学びを得ていた人ほど、困難なことにも挑戦する価値を知っているため、果敢に挑戦することができたといえるでしょう。

以上をまとめると、挑戦できる大学生の特徴は「今までの経験を内省して挑戦マインドを獲得し、人とのつながりを大切にしてコロナ禍でも挑戦のチャンスを増やし、短期的な困難に屈せず実際に行動を起こせる人」になります。

大学4年間の過ごし方で将来は大きく変わりますが、その過ごし方は中学生や高校生の時の経験に依存します。自分もしくはお子さんが頑張れる大学生を目指すのであれば、これらのポイントを忘れずに覚えておいてください。