大一番まであと1か月半!公立高校入試「傾向と対策」2022

いよいよ最後の校長会テストや北辰テストも終了し、10日もすれば私立高校入試がスタート。そして約1か月半後には、高校受験のオーラス「公立高校入試」が行われます。

各々が志望校合格に向けて一気の追い込みに取り組んでいるタイミングですが、何事にも“押さえるべきポイント”を押さえてこそ、より効率的な学習を実現できるというもの。

そこで、昨今の高校入試のトレンドを踏まえ、どういったポイントを意識した学習に取り組むべきかを確認しておきましょう。

英語

  • 大問2の語句補充は中1レベルから必出。確実に得点できるよう日常から“書く”練習を心がけよう!
  • 大問3の長文は比較的易しい。文法系の出題が多いので、基本文法は怠りなくチェック!
  • 全体の51%を占める記述突破の為にも定型表現は押さえておこう!
  • 設問の半数が知識を問う問題。上記も含め、単語や表現のインプットは妥協なく!
  • 選択問題:リスニングを含め記述配点が63%。ただし自由英作文は最後の1題のみのため、英問英答や整序対策を中心に!
  • 選択問題:差がつく記述式では、特に文構造の理解力を問われるケースが多いので、日常から全文を書く練習を怠りなく!

Point リスニングの放送回数が変化!?

全国8県で放送回数1回と2回の問題が混在。共通テストでも半数以上が1回読みとなっているため、今年そうなってもおかしくない!?

Point 時事的な内容を扱う英文読解

環境問題や発展途上国支援といったSDGs関連のテーマが増加。また、SNSやwebサイトの読み取りといった、日常生活での活用を意識した問題も。

数学

  • 大問1で65点!平均点は大問1の配点に連動する傾向にあり、ここで取りこぼすと勝負にならない!?
  • 正答率“中”レベルの大問2「作図」大問3&4の(1)が中堅上位校突破の分岐点に!
  • 特に今年は、新指導要領の目玉の一つであるデータ系の出題や、昨年コロナ禍の影響で出題されなかった円周角、三平方の復活に要注意!
  • 選択問題:平均点が50点台に乗り、徐々に対策が立ちつつある。一方で高難度問題と低~中難度問題のギャップが非常に大きく、差が付きにくい傾向は変わり無し。特に計算系でのケアレスは命取りに!
  • 選択問題:学力検査問題との完全一致問題は17点と年々減少(前年度は29点)。私立上位校の過去問なども参考に対策を!

Point 新出の「データ」系が今年は注目テーマに!?

新指導要領における統計教育の充実という観点から注目単元。知識面に加え、資料の比較から何が言えるか等、説明記述の練習を!

Point 文章題対策はMUST!

読解力や思考力、判断力を要する“認知的負荷の高い”問題が近年増加傾向であり、一つの象徴として文章題が長文化。単元問わぬ傾向であり、要練習!

Point 問題文の図解化力が上位校突破の分岐点に!?

学力検査問題では図などの誘導があっても、選択問題では作図から求められるなど、より読解力や思考力を問われる傾向に。上記の文章題対策に関連し、図解化力も要養成!

理科

  • 大問1以外は全て授業場面がベースの“会話文形式” 。実験自体の複雑化、考察に関わる実験資料の増加等もあり、国語的素養は不可欠に。また、自分で実験を考える問題=仮説を立てて検証する問題も出ており、これは全国的な傾向でもあり、今後も要注意!

Point 出題単元はある程度傾向が顕著。“出る”単元から集中対策!

出題頻度
(過去5年)
出題単元 備考
4回 生命を維持するはたらき 刺激や反応とも合わせて覚えること!
太陽系と惑星 天体の見える位置関係は頻出
水溶液とイオン 化学反応式やイオン式は毎年出題傾向
仕事とエネルギー 基本公式は必ずマスター!
電流と磁界 公式に加え定理類もインプット!
2回 光と音 レンズを通した屈折作図は定番
天候の変化 新指導要領における強化分野。要注意
酸化と還元 定番実験は覚えておこう!
地震 新指導要領における強化分野。要注意

Point 安易な一問一答対策は危険

実験系は知識のインプットに加え、説明記述も出題傾向。安易な一問一答形式の勉強だけでなく、資料系の問題演習を重ねる必要性を認識しておこう!

Point 新出事項は今年から早速出題される!?

ダニエル電池をはじめとした新出事項は3年時に集中=今年から出題されて不思議なし!

社会

  • 10問前後出題される用語記述問題は得点源。一問一答式に覚えて済む問題は着実に得点しよう!
  • 「資料の読み取り」が高得点のポイント。記述問題が絡んでくるケースも多いので、要練習!
  • 時事に関する知見の有無がモノを言う傾向が強まっている。「持続可能な開発目標」「リデュース」「リサイクル」「温室効果ガス」「京都議定書」「パリ協定」等、環境関連の用語の出題増加も全国的傾向だけに、要注意!

Point 選択問題組は点取り合戦を覚悟!

80点以上の高得点者が全体の15%前後は存在。選択問題組は社会で失点をすることがイコール“脱落”を意味することを覚悟すべし。

Point 「データの活用」は社会でもMUST!

特に地理における地形図・雨温図・グラフ・統計資料を用いた問題は頻出傾向。また、埼玉では地理や公民分野で計算を用いる問題も必出のため、惜しい失点を回避するためにも慎重なアプローチを心がけるように!