公立受験生必見!理科・社会勉強法

皆さんは「理科・社会」という教科をどのように捉えているでしょうか?

テストなどでも国語、数学、英語の3教科に比べて軽んじられがちだったり、伴って十分な勉強時間を確保せずに後悔した経験があるという人も少なくないと思います。

しかし学校の定期テスト、模試、公立入試の本番でも、国数英と同じく100点ずつの配点がありますし、近年は私立高校入試でも理社の学科試験を課すところが出てきています。

そこで今回は、これまで多くは取り上げて来られなかった理科・社会の勉強法について、それぞれに分けて解説していきます。

理科

①理科には「暗記系」と「理解系」の2種類がある

まずは”理科”という科目の性質について理解すべきです。

まず理科は、

  1. 生物
  2. 物理
  3. 化学
  4. 地学

という4つの分野に分けることができ、この中で「生物・地学」はどちらかと言えば暗記系分野(近年は生物や地学分野でも数学的な思考力を要求される出題が増えています)、「物理・化学」は思考系分野に分類されます。これは他の教科には無い特殊な性質で、どちらか片方ができているだけでは得点につながりません。自分が苦手な分野の特性を正確に理解し、勉強の仕方を柔軟に変えていく必要があります。

加えて、理科は数学のように”積み上げ”の要素が必要になってきます。つまり、前の範囲をしっかりと理解し定着させないと次の範囲に影響が出てしまうというわけです。

②頻出単元を把握しよう

分野ごとの特性をここまで述べてきましたが、その中でも、頻出分野とそうではない分野があります。埼玉県公立入試を例にとって紹介していきます。

頻出単元/過去5年間 注目単元 備考
4回 太陽系と惑星 天体の見える位置は頻出
生命を維持する働き 刺激や反応とも合わせて覚えること
酢溶液とイオン 化学反応式やイオン式は必ずマスター
仕事とエネルギー 基本公式は必ずマスター
電流と磁界 公式に加え定理等もインプット
2回 光と音 レンズを通した屈折作図は定番
天候の変化 新指導要領における強化分野。要注意
酸素と還元 定番実験は覚えておこう
地震 新指導要領における強化分野。要注意

以上のように、分野によってほぼ毎年のように出題される範囲、出題頻度が比較的少なめの範囲というようにはっきりと分かれている事が分かります。

これを把握しているといないとでは、結果に大きな差が出てくる事は必然でしょう。優先事項をはっきりと決め、効率の良い勉強計画を心がけましょう。

③イラストと用語をセットで覚えよう

理科においては、イラストとセットで用語を覚えることが重要になってきます。

理科には馴染みのない、何を示しているのかイメージしづらい用語がたくさんあります。一方で、実験の図や植物のイラストなど、テストにおいてもそのまま出てくるような頻出の定番モデルが理科にはたくさんあります。

つまり、単に言葉を覚えようとするのではなく、それが何を示しているのか、また他の用語とはどのような関係があるのかをセットで覚えていく事が、理科においての暗記のコツとなります。

④目に見えない物を理解しなければならない

理科が苦手な原因としてよく挙げられるのは、「目に見えない、想像しにくいもの」を理解しなければならないという難しさです。

例えば物理や化学で登場する様々なエネルギー、電流、原子など、目には見えず、日常で意識することもなく、イメージしにくいものが理科にはたくさん出てきます。こういった単元が理解できない場合、自分自身で参考書や教科書を読んで解決しようとするのは危険です。質問を繰り返し、理解できるまで先生や友達に説明してもらうのが最も効果的です。ノートに書いて考えを可視化してみるのも良いかもしれません。

社会

①「資料の読み取り」が高得点のポイント

社会という科目において、単純な暗記のみで得点を取れる問題は年々少なくなってきています。それに代わって得点の割合を増してきているのが、資料の読み取り問題です。

用語の暗記ももちろん重要ですが、地理、歴史、公民範囲のそれぞれに出現する様々な資料から読みとれる事は何か、もしくはその背景にあるもの、それをしっかりと資料集などで把握しておきましょう。

②年号を覚える事は重要か?

特に歴史分野において受験生を苦しめているのが、”年号”を覚えるということでは無いでしょうか。

つい最近までは年号を覚える事とその重要性は当たり前の様に謳われ、様々な語呂が作られ、年号を覚えさせられてきました。

しかし、近年重要視されているのは、細かな年号よりも物事が起こった経緯であり、因果関係です。1つ1つの用語や年号を覚えることも重要ですが、出来事と出来事の関係性、流れを覚えることの方がより重要になっているのです。

とは言え、年号を問う問題が全く出ないとは言い切れないですし、起点となるトピックスがいつ起きたか程度は知っておいた方が効率的な面もあるため、余裕があれば主要な出来事の発生年を覚えておくべきでしょう。これは今後直面するであろう大学入試でも同じ事が言えます。

最後に

何かと勉強が疎かになりがちな理科社会ですが、国語や英語、数学等と比べて、直前まで蓄積した分だけ学力の伸びやすい性質を備えた科目でもあります。

それぞれの特性を理解し、柔軟に勉強の仕方を変えながら、受験まで残りあとわずか、最後の追い込みを頑張りましょう。