保護者当時は総合大学でも片手で数えられるほどしかなかった学部数。しかし近年では、当時とは比較にならないほどその領域も細分化され、伴って「名前を見ただけでは何をしているのか分からない学部」も数多く存在するようになりました。
その理由の1つとして、専門性”だけじゃない”学部が増えてきたことが挙げられます。今回は、その中でもManavo編集部の独断と偏見で気になった3つを取り上げていきます。
1. 教養学部リベラルアーツ科
これは、国際基督教大学、通称ICUに唯一存在する学部です。
リベラルアーツとは、海外の大学では盛んに叫ばれてきた能力で、日本語では「一般教養」を意味します。
大学において、専門性を高めることはもちろん重要ですが、専門性だけを高めるのでは不十分です。
1つの専門性を別の領域に応用したり、はたまた、別の領域のエッセンスを自らの専門性に活かしたりと、専門以外の知識を学ぶことは非常に重要です。
その為、ICUでは、入学者は全員リベラルアーツ学科に入学し、その後、各自の専門性を追求していく形を採用しています。
2. 法政経学部
よく見る3文字ですが、3つ続けられると困ってしまいます。果たしてこれは「法学部」なのか、「政治学部」なのか、「経済学部」なのか。実は、この学部は全部を包含しています。
これは、千葉大学に存在する学部で、先程の教養学部と同じく、入学後は政治と法律と経済を広く浅く学ぶことからスタートし、徐々に専門性を追求していきます。
実際、政治によって法律は定められ、法律の中で経済は動き、経済の動向を見て政治は行われることから、これらを幅広く学ぶことは非常に重要です。
3. 持続性社会創生科学研究科
唯一の大学院からの出題で、島根大学大学院に存在する研究科です。
この研究科は、名前からは予測しにくいですが、地域学研究科と工学研究科と農学研究科の3つの研究科が統合されて誕生しました。
実際、研究科紹介パンフレットには、「昨今では大学院修了者に高い専門性のみならず、学問分野を超えて幅広く俯瞰的・総合的に物事を考えられる思考力をも期待されています。」と記載されており、大学生よりも専門性を極めた大学院生においても、I字型人材からT字型人材への転換が求められています。
今回は、専門性”だけじゃない”学部を3つ見てきました。
これらの学部のメリットの1つに、「広く経験してみてから興味のある領域を学ぶことが出来る」というメリットがあります。学部名が分かりにくいと敬遠されるかもしれませんが、これらの学部も候補に入れてみてはいかがでしょうか。