昨今、目にしない耳にしない日はないというぐらいに、日常に浸透してきた感のあるSDGsというワード。
Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の名の通り、地球環境に代表される非常に社会性の高いテーマだけに、もともと入試問題との親和性が高い概念でもあり、また昨今の「実生活に即したイメージしやすい」という作問コンセプトも相まって、入試問題においても無視できないものになっています。

しかし、実際にSDGsがどう入試問題につながっていくのか、具体的なところはイメージしづらいというのも、特に保護者世代としては当然の感覚かもしれません。
では、実際にどういった形でSDGsが入試に影響してくるのか、科目ごとのSDGs関連出題傾向を確認してみましょう。
科目 | 主なSDGs関連題材 | 出題方法 |
英語 | ごみ問題、環境・地球温暖化、食品ロス・飢餓問題、発展途上国etc | 読解問題や英作文のテーマとして出題。SDGsの専門的な知識は必要ないが、知っていると文章が読みやすくなり、英作文の発想も得やすくなる。 |
数学 | リサイクル、ごみの分別、CO2排出量etc | SDGs自体の知識を問うわけではなく、文章題の題材として利用。 |
国語 | ごみの分別と再利用、食品ロス、住み続けられる街づくりetc | 読解の素材文で触れられるほか、5科目全問題中最大配点の作文において、資料に用いられるケースが多い。 |
理科 | 地球温暖化の仕組み、日照時間と空気中のCO2濃度の関係、白熱電球とLED電球の比較etc | 物理・化学分野に限らず、生物や地学分野でも出題されている。SDGsに直接の言及はなくとも、テーマとして定番化している。 |
社会 | フェアトレード、発展途上国支援の在り方、CO2の排出量規制、女性の社会進出と子育て支援etc | 複数の資料を引用し、課題解決の方法や意見を書かせる記述が増加。地理や公民など分野総合型の出題テーマに採用されるケースが多い。 |
こうした情報は、知っていることが直接的に点数に結びつくものではありません。しかし、中高生にとって決して興味関心あるいは馴染みのあるテーマではないだけに、知らないといたずらに難解に感じやすいテーマです。
一方で、知ってさえいれば「あー、あの話題ね」と心理的にも相対しやすくなる期待もあります。
いずれがプラスに作用するかは言うまでもなく、是非、日常の中でニュースを見たりちょっとした意見交換をしてみたり、SDGsについて考える機会を持つようにしてください。
また、そういった部分こそ、親として子の学習に協力できる部分でもあるかと思います。