英語や数学に比べ、勉強において重きをおかれにくい科目である「古文・漢文」。それでも必ず模試には出題されますし、大学受験においても文系や国立志望の人は避けて通ることはできません。
しかし、具体的には何から手をつけ、どう勉強を進めれば良いのでしょうか。
そこで今回は、古文漢文の勉強法とコツについて紹介していきたいと思います。
教科として、どんな特徴があるのか?
誤解を恐れずにあえてはっきり言うと、「英語」と勉強の手順は似ています。語学の一部なわけですから、当然数学理科や暗記科目である社会とは性質が異なりますし、また現代文のように本文自体が自然と読めてしまうわけでもないので、問われている能力がそもそも異なります。
一方で英語とは、単語や文法を理解しないと何も始まらない、と言う点において共通点が多いのです。
国語というカテゴリで考えず、「外国語を習っているのだ」と割り切ってしまってしまうことが、学習方法を考える上で案外大事なポイントなのです。
具体的な勉強法と手順(古文)
①単語を覚え、文法を理解する
先ほども述べましたが、単語を覚えて文法を理解すること。これが基礎中の基礎かつ最も重要なことです。これをしないことには何も始まりません。
また、「古文とはいえど日本語のうち」と思っていると痛い目に遭います。今から何百年以上も前の文章を読むわけですから、当然今とは違う単語が使われており、現代と同じ単語はあるにせよ、今と同じような意味で使われている単語はほとんどないに等しいと言えます。
ですからある意味、英単語を覚えるよりも厄介と言えるかもしれません。
②活用を理解する
活用について理解することもまた、古文の勉強において重要なことです。動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の4種類が活用されますが、最も重要と言えるのが助動詞の活用です。
最も複雑かつ種類が多いため覚えるのに苦戦する上、文章中での登場頻度が高く文意を大きく左右するからです。
助動詞の活用表はどのテキストにもたいてい載っているため、必ず覚えるようにしましょう。
③敬語表現を理解する
古文は、現代文に比べて主語や目的語が省略されることがかなり多いです。
やっとの思いをして覚えた動詞が文章中に出てきた時、その動作主が判別できないともったいないことになってしまいます。そんな時に手助けをしてくれるのが、敬語を理解することです。
古文が書かれた時代は現代よりもずっと主従関係がはっきりしている上に、この時代の文章は上流階級に関わったエピソードについて書かれていることが比較的多いため、古文の文章中には現代文とは比べ物にならないほど敬語がたくさん出てきます。
これを利用して、敬語表現の有無や種類を理解することで主述関係を明確にすることができます。
④時代背景と古文常識を学ぶ
今と昔の社会は大きく変わっているわけなので、常識が異なって当然です。つまり昔の生活習慣や常識などをある程度知識として知っておかないと、上記の様々なスキルを理解してなんとか文を訳すところまでできても、それがどういった状況なのかわからないということに陥ってしまいます。
歴史の学習と関連付けて、最低限の知識は身につけておくようにしましょう。
勉強法(漢文)
漢文も多少語彙の勉強が必要になりますが、古文ほどではありませんし文法事項もそこまで多くはありません。
漢文を読むことにおいて一番重要なのが、「訓読」をスムーズにできるようになることです。もとの漢文に返点と読み仮名を加えた手法が訓読ですが、これさえできるようになれば、受験に出てくる漢文はそれほど難しい内容は書かれていないので、ある程度本文の内容は理解できるようになるのではないでしょうか。
最後に
古文の勉強は疎かになりがちですが、この様に何種類もの勉強手順を踏んでやっと理解できるようになるものなのです。ですが、着実に進めていけば結果に出るのが比較的早い教科です。
残り数ヶ月間でも、十分に時間を確保できればまだ入試本番までに間に合うはずです。手を抜かずに頑張りましょう。