過去問依存はNG!北辰テストがこう変わった!

高校受験生にとってとても重要な、9月の北辰テストが近づいていますが、対策として、過去問を解いている方も多いのではないでしょうか?

しかし、新傾向の出題が続く公立入試に足並みを合わせるように、北辰テストの出題傾向も少しずつ変化しています。今回は、過去問とは違う今年の北辰のポイントを、記述問題の観点から解説していきます。対象は国数英の3科目です。

なお、2020年度北辰は新型コロナウィルスの影響で出題範囲が特例となっていますので、2019年度北辰と比較を行っています。

国語

特筆すべきは、課題作文の配点です。かつては16点満点だったものが、現在は12点満点になっています。北辰の課題作文は減点方式です。つまり、初期の持ち点が減ったことになります。その為、過去問以上に、本番では誤字脱字などのミスを減らしていく必要があります。

また、課題作文で除かれたこの4点分は、大問2の問題数に現れます。大問2は漢字やことわざなどの文法系が出題される大問です。2019年度はいずれの回でも9題となっていましたが、2021年度は1問増えて10題構成になっています。特に、2021年第2回では「話し合い」という新たなテーマが追加されるなど、従来の過去問では出てこなかった問題が出題される可能性も非常に高くなっており、例年以上に過去問だけの対策では不十分となっています。

したがって、課題作文の強化はもちろんのこと、文法問題の復習も行っておく必要があるでしょう。

2019年第1回~第3回 2021年第1回~第3回
内容 配点 内容 配点
課題作文 16 課題作文 12
文学的文章(心情把握) 6 文学的文章(心情把握) 7
文学的文章(内容把握) 6 文学的文章(内容把握) 6
説明的文章(内容把握) 6 説明的文章(内容把握) 7
古文(内容把握) 3 古文(内容把握) 3

英語

こちらも特筆すべきは英作文の配点です。かつては10点満点だったものが、現在は6点満点になっています。これは、大問5の出題形式が変わったことが原因です。かつて大問5といえば「5文で英作文を書け。」というお題が定番でしたが、現在は「長文の相手に対し、3文のメールを書け。」という形式に大幅に変更されています。

今年度の北辰テストを経験済という方であればイメージできると思いますが、長文読解と英作文がミックスされた分、文章量は減ったものの、難易度は向上したといえます。定型フォーマットを準備しておくなど、準備は怠らない方が吉でしょう。

また、現在の長文問題では、並び替えや穴埋めだけでなく、英作文も出題されるようになりました。こちらもかつては無かった傾向ですので、意識して練習しておくと良いでしょう。

2019年第1回~第3回 2021年第1回~第3回
内容 配点 内容 配点
英作文 10 文章読解(英作文) 6
会話文/文章読解(日本語記述) 4 会話文/文章読解(日本語記述) 4
会話文/文章読解(日本語記述) 4 会話文/文章読解(英作文) 4

数学

こちらは意外かもしれません。実は数学だけは記述問題が減っているのです。減ったのは、大問1の(11)で出題されていた、多項式や文字式の利用に関する記述問題です。現在はこの大問1(11)に「方程式の利用」が3点問題として挿し込まれています。

しかし、多項式や文字式の利用に関する問題が出題されなくなったわけではありません。これらの問題は、大問2の最後に、5点×2題が出題されています。こちらは、長い文章の間に穴埋めをしていく形式をとっており、数学力だけでなく国語力も問われています。

したがって、記述問題として出題されなくなっただけで、単元の重要度が下がったわけでは全くありませんので、従来通りの対策を行っておく必要があるでしょう。

2019年第1回~第3回 2021年第1回~第3回
内容 配点 内容 配点
合同の証明 7 合同の証明 7
作図 5 作図 5
一次関数/合同の利用 6 一次関数/合同の利用 6
多項式/文字式の利用 5

このように、今年の北辰は、2019年度北辰と比べて、教科ごとに多少の違いが生じています。これらのポイントを押さえつつ、9月の北辰に向けたラストスパートを切っていきましょう。