こだわり勉強法シリーズvol.7 辞書の効果的な活用法

勉強において欠かせないアイテムとはなんでしょうか。ノート?参考書?ペン?

これらに並ぶほどに必須なもの、それは”辞書”です。国語や英語など、語学の勉強には常に欠かせないものですが、皆さんは効果的に使うことができているでしょうか?

語学の勉強においては、いくら文法学習や長文読解、音読などを繰り返していても、そもそも「言葉」の意味が分かっていなければ効率的に前には進みません。言葉の意味を覚えるということは基本中の基本というわけです。

そこで、辞書の効果的な使い方からやってしまいがちなダメな例、皆さんが疑問に思っている事への回答を紹介していきたいと思います。

効果的な辞書の使い方

①辞書から得られる情報

辞書を使う主な目的とはなんでしょう?当然第一は言葉の意味を知ることにありますが、辞書からはそれ以外にも様々な情報を得ることができます。

英語の辞書を例に見てみましょう。

  • 音節:
  • 見出し語が“・”で区切られている。(例:be・gin)

  • 発音:
  • 見出し語の隣に発音記号やカナで示されている。

  • アクセント:
  • 発音記号に“´” がついている。カナ表記の場合は太字になっている。
    (例: /bigín/ [bigín ビギン])

  • 品詞:
  • [動]、[名]、[形]などの記号で示されている。

  • 語形変化:
  • 三単現のSの形、過去形、過去分詞、現在分詞の順番で、形容詞や副詞なら、比較級、最上級の順番で示されている。名詞なら複数形が示されている。

  • 派生語・同義語・対義語・語源:
  • 語源やその語に関連する語について示されている。

  • 訳語:
  • 見出し語を日本語に訳した例が載っている。(例:begin 始まる)

  • 文型:
  • 特に動詞に載っている情報で、高校生用の辞書では、S(主語)、V(動詞)、O(目的語)、C(補語)、M(修飾語句)などの記号で示されている。中学生用の辞書では記号を使わずに示されていることが多い。また、自動詞か他動詞かも示されている。

  • 例文:
  • 例:School begins at 8:20.

  • 熟語:
  • 例:to begin with まず第一に

  • 語法:
  • その語の使い方や他の語との違いなどの解説が載っている。

  • イラストや図表:
  • イメージしにくい語や表現にはイラストが載っていたり、図表が載っていたりする。

ご覧のように、思っているよりも遥かに多くの情報が辞書には詰まっていることが見て取れるのではないでしょうか。

この中でも、「発音」「アクセント」「品詞」の3つは特に重要と言えます。英語は4技能が試される時代、読み書きできるだけでは十分ではありません。正しい発音とアクセントで読めるようになりましょう。

また、一つの単語で複数の品詞としての役割を果たす単語がたくさんあります。それぞれの品詞ごとにどのような意味合いがあるのか、把握しておきましょう。

②調べた単語にチェックをしていこう

一度調べた単語に、チェックをつけていきましょう。2度目なら2度目、3度目なら3度目とわかるように、例えば・・・

1回目に見たものはアンダーラインを引く
2回目は丸で囲む
3回目は星印を付ける

といった具合です。

調べたところにチェックをしていくことで、2回目に同じ単語を調べたときに、記憶の定着度を高める効果が期待できます。人間の記憶力は1回でそう簡単に覚えられるものではなく、何回も同じ単語を見て、繰り返すことによって定着するものです。「この単語は前にも調べたことがある」という印象を持つことで、忘れにくくなります。

やってしまいがちなダメな例

①安易に一番最初に出てくる意味のみピックアップする

意味を調べて、その言葉=1番最初に出てきた意味と思い込んでしまうのは危険です。日本語の語句でも英単語でも、言葉には複数の意味があることがほとんどで、辞書には必ずその複数の意味全てが載っています。言葉=言葉で覚えるのではなく、言葉=イメージで覚えていくのがベストです。

②意味の予想をせずに引いてしまう。

単語の意味がわからないからといって闇雲に辞書を引いても、十分な学習効果を発揮できません。”推測する力”が大事になってくるからです。

どれだけ単語の勉強をがんばったとしても、入試本番ではやはり意味を知らない単語が出てきてしまいます。当然ですが本番中に辞書を引くことはできません。ですから、前後の文脈や単語から意味を推測する力を身につけることはとて重要なのです。

辞書に関する様々な疑問

紙辞書と電子辞書、どっちがいいの?

下記に代表される理由から、特にインプット段階での学習には圧倒的に紙の辞書がオススメです。

①様々な研究で「記憶度」「理解度」における紙の優位性が証明されている。
②俯瞰的に眺めることで多くの意味や前後の語句にも触れられる。
③書き込みができる。
一方で電子辞書にも、持ち運びが便利な点や、英単語の発音が確認できる機能がある点等、メリットも多くあります。原則的には紙の辞書を使用することをオススメしますが、例えば通学時などすき間時間の活用には電子辞書など、状況に応じて使い分けることも検討しましょう。

初心者は辞書を使うべきではない?

そんなことはありません。中には初心者のうちは注釈が多い参考書を選んで辞書を引く時間を削減すべきだという人がいますが、辞書を引く行為そのものにも学習効果があるため、やはり積極的に辞書を活用していきましょう。

 

ここまでで様々な活用法や悪例を紹介してきましたが、一番大切なことは「自分に合ったやり方を見つけ、継続していく」ことです。夏休みも中盤戦、もう一度気を引き締めなおしてがんばっていきましょう。