こだわり先生に聞く、推薦のメリデメと推薦獲得のポイント

一般入試だけでなく、推薦入試やAO入試の方がむしろ多数派になっている現在の大学入試。事前に手堅く学生数を確保できるこれらの選抜方式は、少子化や定員厳格化の影響もあって大学側にとってのメリットも大きいところがあります。

もちろん、こうした状況は大学入試に限ったものではなく、高校入試においても傾向として生じています。

一般入試に比べれば受験勉強も比較的ラクで、しかも早期に進学先が決まるなどメリットが大きいというのが、受験生側から見た一般的イメージですが、一方で、一般受験に比較して長期間に渡る備えが必要とも言われる推薦入試。

果たしてどんなメリデメがあり、そして推薦を獲得するにはどんなポイントがあるのか、高校大学といずれも推薦入試で志望校合格を勝ち得てきたこだわり講師に、その心得を聞いてみました。

高校受験における推薦のメリデメを教えてください!

メリットとして大きいのは、北辰や定期テストの結果で確約を得るため、一発勝負ではなく、失敗も許容される点だと思います。推薦入試で実施されることの多い面接も比較的対策しやすいです。
何より、年内に受験から解放されるのは心理的にもだいぶラクです。
一方でそれらが緊張感を欠く要因になったり、伴って伸び悩みの要因になったり、さらには確約を早期に獲得してしまった場合に気が緩んで入学後に苦労するというケースも、実際に私の周りには何人か見られました。

大学受験でも推薦で志望校に進んだそうですが、やはり同じことが言えますか?

やはり一般受験組に比べれば、受験勉強の負担は絶対に少ないと思います。大学や学部にもよりますが、面接や小論文対策が主で、学科試験自体がない所も多いですし。
ただし、出願資格として一定の評定平均を要求されるところが多いですので、3年間、学校の成績で上位をキープし続ける大変さはあります。
また、仮に推薦で思うような結果が得られなかった時に、一般入試に向けてリカバリーするのは相当に大変なので、その辺りはしっかり備えておかないと厳しい部分が出てくると思います。
あとは合格が早く決まるので、それが大学への移行期間としてとらえられる一方で、中だるみや進学後の苦労につながりやすい点も高校と同じ注意点です。

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メリデメあるのは分かりましたが、実際に推薦を獲得する上でのポイントはありますか?

特に高校入試の場合は、自分で情報を集めていかないといけないので、そういったところには敏感になった方が良いと思います。
加えて、確約判定基準は北辰偏差値と内申点のいずれかというケースが多いですが、3学年分の学習が必要で必然と長期戦になりやすい北辰対策よりは、範囲も狭く短期戦でも結果を得やすい内申対策=定期テスト対策にフォーカスした方が、学習効率という点では負担が少ないと思います。

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大学入試でも同じことが言えますか?

大学入試の場合は、高校が持っている枠の取り合いという“椅子取りゲーム”的な側面がありますので、基準クリアは大前提として、その上でライバルに椅子を取られないよう学内順位は意識すべきだと思います。
また、高校受験時のように情報がオープンになっていないケースが多いですので、進路担当の先生と積極的にコミュニケーションを取って情報収集に努めた方が、志望校の推薦を得られそうなのか、あるいはワンランク落とした方が手堅そうなのか、その辺りの戦略も立てやすくなると思います。