入試形態や出題傾向に変化が見られること、あるいは今後も変化を想定すべきことについては触れてきましたが、これは何も「将来の話」ではありません。
入試では中学で学習する事項をもとに作問されるわけですから、なにも3年範囲に限定して出題されるわけではなく、今学習していることが受験で出題されることも珍しくありません。まさに現在進行形で受験勉強真っ最中と言っても過言ではないのです。
まだピンと来ないという方も多いことでしょうし、実際に受験で1・2年生の範囲からどの程度出題されているか、数学を例に見てみましょう。
配点比率はむしろ低学年の比重大!
1・2年生時に培った基礎力が入試戦線においても影響大!!
これを見ても明らかなとおり、受験においては3年生で学習した事項よりも、むしろ1・2年生で学習した事項の方が多く出題されているほどで、この傾向はここ数年に限らないものです。
また理科などの比較的単元の明確な科目でもその傾向は一目瞭然で、過去5年で3回以上出題された7単元の内、半数近い3単元が1・2年時の学習内容ということになっています。
理科単元別出題頻度ランキング
出題頻度 (過去5年) |
出題単元 |
5回 | 太陽系と惑星 |
4回 | 生命を維持する働き |
水溶液とイオン | |
電流と磁界(2年) | |
3回 | 仕事とエネルギー |
天候の変化(2年) | |
光と音(1年) |
そもそも3年生の内容にしても、その基礎となるのは1・2年生の学習内容です。科目によって程度は異なりますが、1・2年生の内容を疎かにして3年生の内容が突然できるということはありません。
また、特に埼玉の公立入試では、1・2年時の内申点も合否の判断材料に含まれることもあり、内申点の重要資料となる定期テスト対策もまた、受験対策の一環となります。
指導要領改訂の目玉「英語」
大幅に増加した語彙数を1年で網羅するのは実質不可能!
これまでにも何度も触れてきましたが、指導要領改訂の目玉とも言うべき英語において、これまでの2倍以上へと大幅に増加した語彙数は象徴的なものの一つです。
事実、既に各校で実施されている定期テストの内容や結果を見ても、急激な語彙レベルの向上についていけていない例は多数散見されます。
これまでとの比較で考えても、例えば3年生の夏から公立受験までの約7か月間で、一通りの単語を2周して覚えるとなると、「1373語×2周÷7か月=約400語」つまり1日10語強のペースでなんとかなったものが、その倍ともなると毎日20語ずつものペースでインプットしなければならなくなります。実際にはゼロベースではないでしょうが、逆に毎日休みなくというわけにいかない事情もあるでしょうし、その負担感は相当です。
特に英語は何か特定の単元だけ学習しても結果の出にくい積み重ね型の科目です。
くれぐれも、受験は将来の話ではなく、現在進行形で今学習している事の一つ一つが直結していくのだという認識が必要なのです。
- 少しずつでも良いので、日課に勉強時間を確保!
- スマホに触れるのはやることをやってから!
- まずは宿題を完璧にしよう!
塾を活用するなど、勉強するしかない環境や時間を確保しましょう。ポイントは、30分でも良いので勉強しない日を作らないこと!
理性を持ってコントロールできない場合は、上記とも絡めて塾帰りまで使用しないなど、ルールを決めて上手に付き合いましょう。