保護者の当時とは全然違う!?大学入試はこう変わる!

今年1月、紆余曲折を経て第1回となる共通テストが実施されました。記述式導入の見送りをはじめとして、「結果的にセンター試験と何が違うの?」という問いも数多見られる形にはなりましたが、よくよく内容を照らし合わせれば傾向の変化は一目瞭然です。

また、指導要領の改訂も今年から中学校で、そして来年からは高校でも適用ということで、学習内容の変化が各カテゴリにおける入試制度にも大きく影響していくことが考えられます。

特に大学入試のカテゴリにおいては、既に保護者世代の当時とは全く異なる状況にあるため、当時の常識を一旦リセットすることが重要です。

では、具体的に何がどう当時と変わってしまっているのでしょうか?

時代が変われば入試も変わる!?

グラフにある通り、90年代後半ごろまでの大学進学者の大半は、厳しい受験戦争=一般入試を経ていました。

が、時を経て現在では、私立大学では実に過半数、国公立でも約20%が推薦やAOによる、つまりは一般入試以外の経路で大学に進学している実情があります。

推薦やAOであれば勉強せずに済むと安易に考えるのは危険で、様々に独自の対策を求められますし、以前に比べると個別の学力検査を課すケースも増えています。それでも、一般入試ほどの厳しい受験勉強を強いられることは少ないことも事実で、また一般的に年内には進路が確定するというメリットもあり、人気を博しています。

しかし、この推薦・AOルートにも変革の波は押し寄せています。一連の改訂に伴い、各試験種別の名称の変化、そしてそこで求められる基準についても、次の表のとおり、改革されることになったのです。

端的に言えば、従来の推薦・AO入試でも学力を問われるケースが増加することになります。これまでは各高校での評定平均、つまり定期テストでの成績が基準となったり、AOであれば論文やプレゼンなど独自の課題を課されるケースが多かったのですが、共通テストの結果が必要となるなど、一般受験と大差ない水準の学力が要求されるケースが増えることになりそうなのです。

また、共通テストの結果が必要になるということは、合格発表の時期が後ろにずれ込むことを意味します。これまでであれば、推薦やAOの結果が芳しくない時には、一般入試でリベンジを図るという2段構えでの志望校チャレンジも可能でしたが、今後は別の戦略を必要とする可能性が生じます。

一方で、一般入試の方でも調査書を要求されるケースが生じてくるなど、学校の授業はほどほどに受験勉強だけを頑張っていれば良いというわけにはいかなくなる可能性があります。

一概に各種入試制度の違いが無くなるということにはならないでしょうし、多様な入試制度という観点で存在が否定されたり割合が大きく変わるということもないでしょうが、そこに臨む心構えとしては、大きな変化を要求されかねないのです。

多様な入試制度、そのどれを選択することになるかは、未来の自分のみが知り得ることです。その時が来てから後悔することにならないよう、1年時から常に様々な可能性を検討し備えておくことが、ますます重要になると言えるでしょう。

心がけておくべく変化への備え
  1. AOや推薦狙いでも共通テスト対策は怠るべからず!
  2. 大学ごとに入試の多様化はますます進むと思われるが、これまで以上に学力を要求されるケースが増加する可能性は大。“その時”が来てから慌てないよう、王道の受験勉強にも備えておくことが、結果的に選択肢を広げることに。

  3. 一般入試組も学校のテストを疎かにしないように!
  4. 上記とは逆に、一般受験に的を絞ったからといって定期テストをはじめ学校生活を疎かにすることはリスクに!?

  5. 25年度までは過渡期!不透明さへの心の準備を!
  6. 新指導要領適用世代が大学受験を迎える年度までは“移行期間”。様々な実験的取り組みも行われるかもしれない“不透明さ”は心しておくべき。