大学1年生の頃から教師を志し、経験を積み成長したいとの思いで始めた塾講師。長く生徒達と関わっていく中で見えてきたことの一つが、“やりやすい”と感じる生徒と“もったいない”と感じる生徒の違いです。もちろん関わる生徒全員に、同じように全力を注いでいるのですが、前者と後者では成績の伸び方が違います。
では、その違いはどこにあるのでしょうか?どういう点を意識すれば、結果の出る“やりやすい生徒”になれるのでしょうか?
違い① 当たり前のことを当たり前にやってくるかどうか
まず、”やりやすい生徒”は塾の宿題を必ずやってきます。宿題をやってくることで学習内容が定着するだけでなく、逆に課題が見つかれば、適確に対策を打てたり授業を進めることができます。
ところが、当たり前のように見えて、宿題をやってこない生徒は少なくありません。これは“もったいない生徒”の典型的なパターンです。
授業では演習量が足りないと判断して宿題を課したり、あるいは最低限の復習として宿題をやってきてくれれば・・・という前提で授業を計画してもいるため、宿題をちゃんとやってきてくれないと、授業の進捗に支障が生じてしまい、結果的に、思うように結果が出ないということにもなりかねません。
違い② 「分からない」と意思表示できるかどうか
授業中はもちろんのこと、宿題などの自学の際にも「分からない」と意思表示してくれたり、質問を用意してくる生徒はやりやすいです。講師側にも目に見えて意欲が伝わるので、より一層力が入ってしまいます。
一方で、意思表示ができないでいると、授業時に講師として気付けるかどうかがポイントになってきます。こだわり塾のような個別指導形態であればそれも可能ですが、これが学校のような集団指導形態ともなると、果たしてそこまで一人ひとりの細部に目が行き届くか疑問です。
そうなると、質問できないでいると、もしかすると簡単に解決できるかもしれない疑問を未解決のままやり過ごすことになりかねません。
主役は生徒自身であり、塾はあくまでもサポーターです。塾に通っているから大丈夫、と塾任せの受け身な思考でいると“もったいない生徒”一直線。塾をどう活かすかという観点が大切です。
違い③ 講師のアドバイスに素直に耳を傾けられるかどうか
授業で指導したことに素直に耳を傾け、そして素直に試そうとしてくれる生徒はやりやすいですし、比較的早期に結果が出る傾向にあります。逆にいくら指摘を重ねても、頑なに自己流から抜け出せずにいる生徒はなかなか殻を破れなかったりします。
講師は自らの成功体験だけでなく、様々な生徒の成功・失敗体験も踏まえて、アドバイスをしています。原理原則、誰しもに共通して言えることもあれば、個々の適性を見極めつつしているアドバイスもありますが、いずれもその生徒のためになると思えばこそのアドバイスです。
日々の勉強方法や、そこに際しての覚え方、解き方、あるいはノートの取り方一つとっても、素直に耳を傾けられないことは“もったいない”の一言に尽きます。
先行き不透明な社会の中で今の子供たちに求められるのは、自ら考え行動する力です。自発的に考え、行動し、そして解決することのできる“やりやすい生徒”を意識してくださいね。