学習時期まで大きく変化!新指導要領適用に伴う移行単元をチェック!

新指導要領適用に関しては、これまでも度々お伝えしてきましたが、今回は単元の移行に伴う学習時期の確認です。

特に今回の再編で最も大きな影響を受けた英語については、これまでの概念が一気に吹っ飛ぶぐらいの再編がなされており、中には「中1でこの単元を扱うの!?」という驚きの禁じ得ないものも含まれてきます。

2020年度より、小学校5年生から英語が科目化され、つまり学習開始時期が2年前倒しされたことで、玉突き的に学習時期が早まっていると考えればイメージしやすいことかと思いますが、それはつまり、成績の二極化が大きく生じる不安要素ともなるため、特に今春中学に進学する世代に関しては、既に潜在的にでも生じているであろう差をいかに埋めておくべきか、悩みどころとなるでしょう。

それでは、具体的にどう変わるのか、1年生の英語の教科書の中身を例にチェックしてみましょう。

旧教科書
1学期 アルファベットに親しもう
be動詞
This/That、He/She
一般動詞
2学期 名詞の複数形,How many
疑問詞(What)
3単現
疑問詞(Who,Which,Where,Whose,What time)
代名詞の目的格
3学期 現在進行形
命令文
can
疑問詞(When)
過去形(一般動詞)
新教科書
1学期 be/一般動詞
助動詞
疑問詞(What,How many)
2学期 動名詞
不定詞
This/That、He/She
疑問詞(Who,Which,Where,Whose,What time)
命令文
3単現
3学期 過去形(be/一般動詞)
感嘆文
現在進行形
look+形容詞
※学期は目安学習時期

こうしてみると、例えば従来最初に取り扱っていたアルファベットなど、英語の基礎中の基礎は“既に小学校で学習済”という扱いになっていることが明らかですし、複数形や代名詞に関しても同様です。

また、2学期の最初にも想定される「動名詞」「不定詞」などは、従来中2の2学期に扱われてきた内容で、中2の学習事項の中でも特に難易度の高い単元の一つとして毎年苦戦する中学生が続出しています。

となると、これまでは特に1学期の中間テストなどは単語テストの延長のようなもので、平均点も総じて高く、結果として1学期は評定5が続出というのが恒例でしたが、今後は1学期から、あるいは遅くとも2学期には大きく差が付く結果になることも大いに予想されます。

もちろん、こうした学習内容の再編は中2や中3でも同様に起きています。

つくづく、英語は中学に入って新たに始まる科目ではなく、既に生じ始めているであろう差が顕在化する可能性を秘めた、つまり最も不安要素を秘めた科目ということが言えるのです。