2021埼玉県公立高校入試 傾向分析速報

2月26日に実施された埼玉県公立高校入試。ここ数年は大学入試改革の影響もあってか、新傾向の出題が続いたことで各方面に大きな驚きを伴う結果が続きましたが、今年も傾向に変化はあったのでしょうか。科目毎にポイントをご紹介していきます。

英語(学力検査問題)

  • 難易度:昨年並(昨年度平均点52.2点)
  • 総括:
    大問構成に変化はなく、語彙問題も中1の1学期レベルのものが多数出題。過去問慣れしておけば、安定して力の発揮できる内容。
  • 注目ポイント:
    長文大問の中にも「自身の考えを述べる」問が出題。差が付きやすい記述問題は近年増加傾向。

数学(学力検査問題)

  • 難易度:昨年並(昨年度平均点67.9点)
  • 総括:
    大問1の小問集合が昨年同様に16問と、平均点の底上げ要因に。大問2以降も教科書レベルのものが多く、しっかり取り組めば得点できたものが多かった。
  • 注目ポイント:
    記述回答の必要なものや「整数に関する」問が出題されるなど、過去問慣れしすぎていることが弊害になりそうな馴染みの薄い出題も散見された。

国語

  • 難易度:易化(昨年度平均点57.2点)
  • 総括:
    大問構成に変化はないが、コロナ禍への処置で中3で習う漢字に読みがながふられるなど、内容としては取り組みやすくなった。
  • 注目ポイント:
    記述の問題数は変わりないが、文中からの書き抜き形式に変わったものもあり、作文も資料から読み取るべき要素が減るなど、従来は差が付く要素の一つであった記述問題が、差の付きにくい内容になった。

理科

  • 難易度:昨年並(昨年度平均点51.1点)
  • 総括:
    近2年の傾向と同様、資料の量、記述量ともに多く、難易度への対応力以前に、適確に問題文を理解しまとめる力が求められる。
  • 注目ポイント:
    今年は「腕が曲がる仕組み」が題材として取り上げられるなど、身近なテーマからの出題は定番化。安易な暗記依存では対応が困難になっており、本質的な知識と理解、問題文を正しく吟味する力が不可欠に。

社会

  • 難易度:昨年並(昨年度平均点55.4点)
  • 総括:
    大問構成、出題内容、難易度ともに例年通りで、近年最も安定傾向にある科目。
  • 注目ポイント:
    表や複数の資料からの読み取り、仕組みの説明記述等、知識のインプットだけでは対応できない問が差のつくポイントになったと思われる。

英語(学校選択問題)

  • 難易度:昨年並(昨年度平均点58.9点)
  • 総括:
    文章量が非常に多く、英問形式の出題もあるため、素早く的確に英文を読み取る力が必要。
  • 注目ポイント:
    難易度は高いものの、受験者層を考慮すれば差はつきにくいレベル。スピードと記述力の差が得点差に直結!

数学(学校選択問題)

  • 難易度:やや難化(昨年度平均点55.2点)
  • 総括:
    「有効数字」「整数」など、解きなれていないであろうテーマの出題が複数見られた。また、図形分野はアプローチに時間を要しそうなものも多く、時間的に余裕のないケースが多かったと思われる。
  • 注目ポイント:
    計算問題をはじめ、取るべき問題を手堅く取りきる正確性は大前提。また文章題も長文化しており、丁寧に状況を読み取る読解力の重要性も高まっている。