時事通信vol.1 ベルリンの壁はドイツを東西に縦断していない!?

時事問題とは一般的に、日本や世界の主要な出来事について考え、答えを導き出す問題のことを指します。この時事問題、実は近年、入試や学校の定期テストなどにおいて出題される傾向が高まっているのです。
18歳選挙権、朝鮮半島問題、さらにはオリンピック等々、身近な時事について説明し、意見を述べることができるようにしておくことが、試験の結果に直結していくのです。
今回は意外と多い勘違い時事の例として、「ベルリンの壁」を取り上げてみましょう。アナタの認識、合っていましたか?

「ベルリンの壁崩壊」で有名なベルリンの壁。東ドイツと西ドイツを分断する“南北に走る壁”をイメージしている方が多いようですが、実際には異なります。

ドイツが東西に分断された当時、西側諸国と東側諸国の間で首都ベルリンを巡る対立が生じ、結果、ベルリンも東西に分断統治されることになりました。しかし、当初は同じ町の中のため、東西の行き来も可能で、例えば東ベルリン在住で西ベルリンで働いている・・・という事態も頻繁に生じていました。

しかし、次第に東西で経済格差が生じ始めると、東側から西側に移住や亡命を試みる動きが生じるようになってきたため、東側政府は西ベルリンを物理的に封鎖しました。これがベルリンの壁です。

その包囲の形状ですが、実は右の図のように、そもそもベルリンはドイツ領の中でも東側に位置しており、西ドイツにとって西ベルリンは言わば“飛び地”でした。そのため、ベルリンの壁はベルリンを縦断するのではなく、西ベルリンを包囲する形で作られたのです。