いよいよ4月に迎える新年度から、中学校でも新指導要領が適用され、それに伴い新たな教科書に基づいて学習することになります。
過去にも、“ゆとり”“脱ゆとり”等々、指導要領の改訂に伴って様々な変化がありましたが、今回の改訂はどういった内容になっているのでしょうか?
その内容に触れる前に、これまでに実施されてきた指導要領改訂の歴史や内容、その社会的背景なども確認しておきましょう。
圧倒的なボリューム!親が子の勉強を見るのは困難に!?
今回の指導要領改訂に伴い目を引くのは、増加の一途をたどる教科書のページ数です。
ゆとりや脱ゆとりと言われていた当時はもちろん、それ以前と比較しても圧倒的なものとなっています。加えて、教科書のサイズ自体も大きくなっていることを考慮すれば、単なるページ数では計れない増量具合です。また、特に英語や数学においては、これまで高校で扱っていた内容が一部移行してきていることも、ページ数増加の一因になっています。
これはつまり、少子化が始まる前の「受験戦争」とも揶揄されていた保護者当時と比較しても、質・量ともに負担の大きなものになることを意味します。
もちろん、保護者の中で何十年も前に学習したことを覚えているという方の方が少数派でしょうし、そもそも学習していなかった事項も多分に含まれてくるということは、「子供の勉強を親が見る」ということが不可能になってくる可能性があることも否定できません。
特に英語は小学校で既に教科化!
「中学で新しく始まる科目」ではなく最大の波乱の目に!?
さらには、これだけ学習内容に変化が生じると、学校などの教育現場でも大なり小なり混乱が生じて不思議はないですし、何よりも、その影響を受けるのは子供たちです。消化不良を起こす子供たちが続々と発生することになりかねません。
ちなみに2020年度からは先立って小学校で新指導要領が適用されており、つまり新たな教科書に基づいて学習が進められています。今年中学校に進学する世代は、そういった内容も踏まえての中学での学習になります。
特に英語などは2020年度から小学校でも教科化され、その前提の上で中学での学習も進められることになります。
中学進学に伴い「新たに学び始める科目」ではなくなるということは、小学校時点で既に潜在的にでも生じ始めている差が、中学進学に伴い、定期テストなどで一気に顕在化する恐れがあり、それは成績の二極化、さらには先々の受験戦線に大きな影響をもたらしかねない懸念もあります。
指導要領の改訂によって、何が起き得るのか、そしてその時に向けてどう備えておくべきなのか、まずは親としてしかと確認しておきましょう。
- 教科書のページ数が大幅増!
- 英語はもはや“新科目”ではない!
- 読解力や表現力の重要性が大きく向上!
90年当時と比較すれば約150%にも達する大容量。もはやかつての常識で考えていると、我が子の学習状況に対する認識を大きく見誤ることにも!?
小学校ですでに一定量学習した前提での中学での学習となるため、相応に内容も難化する。中学進学と同時に皆一斉スタートという認識では大きく出遅れる懸念が!?
問題文の長文化や、科目横断型の学習も増加するため、一点突破のパターン型学習では結果が期待しづらくなる可能性大!