高校入試出題範囲考察

今年度はコロナ禍の影響で、公立高校入試においても出題範囲の見直しが行われることになりました。

一方で、約1か月後に迫る私立高校入試においては、その対応が「公立高校の出題範囲に準じる」「一部準拠する」「準拠しない」と、大きく3つのパターンに分かれることとなっています。

受験生にとっては、志望校に応じて学習内容そのものの見直しが必要になるでしょうし、場合によっては過去問が使いにくい状況も起こり得るでしょう。

そこで、まずは公立高校入試における出団範囲の見直しについて、再確認してみましょう。

都立・埼玉公立高校入試で除外される範囲

科目 東京 埼玉
国語 中3の教科書で学習する漢字 中3で学習する漢字、慣用句、四字熟語
数学 ・三平方の定理
・標本調査
・日常生活で相似の性質を利用する場面
・円周角と中心角
・三平方の定理
・標本調査
英語 関係代名詞の内、主格のthat、which、who及び目的格のthat、which制限的用法 ・関係代名詞の内、主格のthat、which、who及び目的格のthat、which制限的用法
・主語+動詞+whatなどで始まる節(間接疑問文)
社会 ・「私たちと経済」の「国民の生活と政府の役割」
・「私たちと国際社会の諸課題」
・「私たちと経済」
・「私たちと国際社会の諸課題」
理科 ・「運動とエネルギー」の「力学的エネルギー」
・「科学技術と人間」
・「地球と宇宙」の「太陽系と恒星」
・「自然と人間」
・「科学技術と人間」
・「地球と宇宙」
・「自然と人間」

両都県ともほぼ同内容ですが、埼玉県の方がやや幅広い範囲を削除する方針になっています。

では、私立高校の中でこうした動きに倣う方針を示したのは、どういった高校群になるのでしょうか。川口から進学者の多い主な学校をピックアップしてみました。

公立高校出題範囲に準拠する高校一覧

東京都 埼玉県
準拠する主な高校 安部学院、上野学園、京華女子、国学院、桜丘、実践学園、十文字、淑徳SC、淑徳巣鴨、順天、城北、星美学園、成立学園、専修大附属、大東文化第一、瀧野川女子、中大杉並、東洋、東洋女子、豊島学院、日大豊山女子、文京学院大女子、豊南、武蔵野、安田学園 浦和学院、浦和実業、春日部共栄、国際学院、秀明栄光、昌平、城北埼玉、西武文理、花咲徳栄、武南
一部準拠する主な高校 ・国学院久我山(漢字は漢検3級レベル、数学は標本調査を除外、数学の三平方の定理は使わなくても解ける問題にする)
・巣鴨(一定の配慮を行う)
・東京成徳(国語は都に準拠、数学は標本調査のみ除外、英語は除外範囲を設問対象にはしないが問題文には出すことがある)
・駒込(原則準拠だが、合否に影響しない範囲で選択または配点考慮問題として出題することはあり得る)
独協埼玉(国数は公立に準拠、英語は基本的に準じるが、例えば関係代名詞は受験生が答える形にはしないが長文に含める場合がある)

特段偏差値帯によって傾向があるわけではなく、各校の対応が分かれています。もちろん、ここに含まれない高校のように、例年通り全ての単元を出題範囲に含むという高校も一定数存在します。

受験生は、志望校の対応を良く考慮した上で、残り限られた時間を最大限に活かせるよう学習計画を見直しておきましょう。