「できた!」という手応えに反して思いがけないテスト結果・・・。その際たる要因になりがちな計算ミスが治らないという悩みは、誰もが抱える問題なのではないでしょうか。
たかが計算ミスだと言って見て見ぬふりをしている方も多いですが、特に受験になると、同等の学力を持つライバル同士が競い合うわけですから、このミスが合否を分ける致命傷にもなりかねません。
今回は、そんな計算ミスをなくすために、よくある計算ミスの原因を分析してみましょう。
原因① 途中式を書かない
学校や塾の先生に「途中式を書きなさい」と注意された経験がある人は多いのではないでしょうか。実際に、計算ミスが少ない人ほど途中式をしっかりと書く傾向があります。
ではなぜ途中式を書くべきなのでしょうか。
理由は、「計算ミスの原因を把握するため」です。
計算ミスが多いからといって、やみくもに計算問題をたくさん解いたとしても、そもそもどこで、あるいはどうして自分がミスをしているのか把握できなければ、効果をあげることはできません。
途中式を見返してミスをした部分が分かれば、自分がどの計算が苦手なのか、どこで計算ミスをしやすいのかという傾向が明らかになります。計算ミスは結局のところ、一つずつ丁寧に意識して直していくしかありません。ですから、傾向を明らかにし、意識すべきポイントを明確にすることはとても大切です。
以下に「よくある計算ミスの例」を紹介しますので、自分がこのようなミスをしていないか、途中式を見返してみてください。
・km→mなどの単位変換ミス
・方程式で移項するときの符号ミス
・分数の約分ミス
原因② 検算をしない
どんなに計算ミスをしないように気をつけたとしても、人間たるもの、ミスはするときにはしてしまうものです。従って、検算をすることによって、たとえミスをしたとしても、そのミスに自分で気づくことができるようになる必要があります。
ここで大切になるのは、正しい方法で検算をするということです。検算とは、ただ単に同じ計算を同じように繰り返し行うことではありません。
では、正しい検算のポイントは何でしょうか。それは「同じ計算を違う方法で計算する」ことです。下の例のように、足し算には引き算を、掛け算には割り算を用いて検算を行ってみましょう。
検算:53 – 25 = 28
検算:272 ÷ 16 = 17
原因③ 計算の工夫ができていない
①,②をクリアしたら、次はレベルを上げて、計算の工夫をしてみましょう。
計算の工夫とは、計算法則を利用して計算の順番を変えることです。工夫をすることによって、ミスの発生しやすい複雑な計算を避けたり、計算の回数を減らすことができます。下の例では、足し算や掛け算の計算順序を変えることで複雑な計算を避けています。
= (24 + 26) + (36 + 64)
= 50 + 100 = 150
= (25 × 4) × 36
= 100 × 36 = 3600
今回は計算ミスの原因を分析し、計算ミスをなくす方法を紹介しました。特に「途中式を書かない」はミスの多い方々に共通する特徴ですから、まず途中式を書く習慣作りから始め、そして原因把握、検算、計算の工夫と順に実践してみましょう。