「高校入試は中学1年生から始まっている」の真相!調査書解体新書

公立高校入試における内申点の扱い。公立中学生であれば、いずれ誰しもが直面することになる懸念点の一つですが、その実情は地域によっても異なりますし、当然ながら保護者世代の当時とは制度そのものも変わっています。

そもそも、保護者としても中学生当時、内申点とはどういうものなのか、入試にどう影響するのか、正しく認識できていたという方の方が少数派でしょう。

まずは、埼玉県の公立高校入試において、内申点とはどんな基準で算出されるものなのか、そしてそれがどう入試に影響を及ぼすのか、内申点の基本について確認しましょう。

1年生から要準備!公立高校に進学するために押さえておくべきこと

内申点とは、高校入試に際して中学校から高校に提出される「調査書」の内、主に教科の成績が点数化されたものを指します。

具体的には、通知表に記載されている5段階の評定、特に学年末に記載される「学年評定」が内申点に直結していくと考えて、ほぼ相違ありません。

この内申点、埼玉県の公立高校入試においては、本試験での5科目500点分に匹敵するほどの配点で合否を左右するケースもあり(各校基準による)、また、1年生から3年生までの3学年分がそこに反映されるという点で、近隣の都県とは異なる埼玉独自の制度として、毎年受験生や保護者を悩ませています。

もちろん、私立高校入試においても内申点の重要性は変わりありませんが、原則的に3年時のみの内申点を評価するケースの多い私立高校に比して、3年間油断することなく成績を積み重ねる必要があるという点においては、やはり公立高校入試におけるインパクトは相当なものになります。

では、具体的にどう反映されるのか、人気校の一つ、川口市立を例に見てみましょう。

1年時の評定を評価しない高校は皆無!
公立高校入試に関しては1年生から受験が始まっている認識を!


これを見て注目すべきは、やはり内申点に含まれる学年の内訳でしょう。

川口市立の場合は、「1:1:2」つまり1年生と2年生の評定が、90点分も内申点として加味され、合否に影響を与えることになるのです。

埼玉県の公立入試においては、川口市立の例に限らず、各校の定める基準によって多少の違いはあるものの、例外なく1年生から3年生まで、全学年の学年評定が内申点として計上されます。

神奈川県では2年生から、東京都は3年生のみがその対象ということもあり、まずこの埼玉独自の制度を押さえておかないと、「受験は3年生になってから」と悠長に構えていては後悔することになりかねないのです。

また、内申点は通知表を基準に評価されますし、通知表は定期テストにおける点数を基準に評価されますので、つまり1年生の1学期の中間テストから、受験は既に始まっている。それが、埼玉県の公立高校入試なのです。

保護者当時と異なり現在は絶対評価!
順位や平均点ではなく、点数軸で具体的な目標設定を!

内申点の評価軸は、保護者の当時は相対評価に基づくものでした。つまり、何点取ったか以上に、学年の中でどれぐらいの位置にいるか、順位の方が目安としては重要だったわけです。

しかし現在は絶対評価に基づくため、順位ではなく、何点取ったのか、得点をベースに評価されるようになっているのです。

実際にはここに授業中の態度をはじめ、諸々プラスマイナスの加減要素も加味されますが、まずは「テストで何点取ったのか」がベースとなることを意識し、定期テストなどに際しても、より具体的な点数軸での目標設定を心がけるようにしましょう。