偏差値70、内申点に至っては3年間の学年評定平均42。
埼玉県において“御三家”と評される公立の雄「浦和」「浦和一女」「大宮」の3校は、その合格目安が物語る通り、受験生としての努力はもちろんのこと、3年間積み重ねた努力の継続性も強く求められる、文字通り最高峰の高校群です。
そんな御三家に進学できるのは、やはりごく一部の限られた才能を持つ方々だけなのか?今回はそんな問いの答えを探るべく、こだわり講師陣の中でも御三家出身の一人に、中学生活で大切にしていたことを中心にインタビューしました。
小学生の時から勉強漬けだったのかと言うと・・・
小学5年生までずっと公文に通っていたので、毎週宿題のプリントに追われていました。学校の授業はちゃんと聞いてはいたものの、その当時はまだ通知表や成績などは気にしていませんでした。
むしろ、公文をやめてからは反動で毎日遊んでいて、学校も勉強しに行くというよりは、友達と会いに行くという感覚でした。
中学進学後にきっかけが・・・
部活や委員会活動が忙しい上、新たに塾にも通い始めて自由な時間が少なくなってしまったので、勉強と言えばテスト期間にテスト範囲の勉強をするぐらい・・・それが私の中学生活最初のテストに向けての実情でした。
しかし、最初のテストで友人が学年1位を取ったことで、「凄い!」と思う気持ちから次第に感化され、勉強にも力を入れるようになりました。と言っても、特に秘訣のようなことがあるわけではなく、同じ教材を何周もして、問題文を見ればすぐに答えが出てくるほどまで仕上げることをとにかく大事にしていました。
中2の秋に運命の出会いが・・・
中学2年の秋ごろだったと思いますが、なんとなく公立高校のパンフレットを見ていた時に、御三家というものを聞かされ、そこから意識するようになりました。
難しい試験に挑戦してみたいという気持ちや、中でも女子高を目指していたこともあり、浦和一女に興味を持つようになりました。
受験生活で大事にしたことは・・・
学校の授業がある時は帰ってから何時間、休日は何時間勉強したかの記録をつけていました。特に長期休暇は勉強のモチベーションが下がりやすいので、勉強時間を見て自分をホメたり、時には友達を会話したりするのがモチベーションになりました。
また、とにかく基本的なミスをしないよう心掛けながらも、スピードを落とさず両立することを目指しました。特に数学はスピードが重要なので、他の教科よりも時間を注ぎ、演習量を確保するようにしました。
受験生活できつかったのは・・・
夏休みや冬休みの講習の時は、毎日10時間くらいずっと机に座って勉強しているのがつらかったです。勉強時間が長くなると飽きてきて効率が落ちるので、適度な休憩は必要だと思い知りました。
また、毎日勉強ばかりなことに加え、コンビニのパンなど食べるものも同じになってくると、同じ毎日が繰り返されると感じて気力を失いそうにもなったので、コンビニ一つとっても毎日通う店を変えたり、通塾する道を変えるなど、ちょっとしたことでも良いので毎日に変化をつけると、それだけでも随分変わると実感しました。
無事に難関を突破し、浦和一女で良かったことは・・・
先生方も親身に相談や質問に応じてくださりますし、クラスメイトもおおらかで優しい人ばかりだったので、本当に良い高校生活を送れたと思います。争いもなく、まるで家にいるような伸び伸びとした空間は、女子高ならではなのかもしれません。
また、趣味嗜好の異なる人同士でも自然に話せて、互いを尊重する環境がある点でも、過ごしやすかったです。
また、解く問題の取捨選択も大事だと思います。入試本番でも、数学で15分時間が余ったのですが、新しい問題に手をつけるのではなく、解き終えた問題の見直しに時間を割いた選択は、結果的に良かったと思います。
普段の勉強でも時間を決めて、こうした取捨選択の練習をすることは、本番にもつながる重要な練習の一つだと思います。