この時期には各校で定期テストが実施されることも多く、受験生に限らずとも勉強に追われる日々を過ごしているという中高生は多いことでしょう。
しかし、今年はコロナ禍の影響で例年とはテスト範囲も異なるケースが多く、課されたことをこなすのに精一杯で、その場しのぎな勉強に終始してしまっているか、場合によっては期限までにやるべきことを終えられなかったというケースさえあるかもしれません。
もちろん、その背景にあるのは“計画性の有無”というところに行き着くわけですが、「計画通りに事が運べば苦労しない!」といった声も聞こえてきそうです。
しかし、実効性の伴う計画作りにもちゃんとポイントがあります。今回は、学習計画の立て方のポイントを確認してみましょう!
STEP① やるべきことを確認し、時間配分を決めよう!
まずは何をやるべきなのか、そしてどれぐらいやるべきなのかを棚卸ししましょう。科目によってテスト範囲も異なりますし、受験生ともなれば取り組むべき範囲も膨大なため、まずは全体像を把握しておかないと、必ず抜けや漏れの生じる原因になります。
何をやるべきかが把握できたら、次は時間配分です。この時に注意すべきは、各科目均等に時間配分する必要はないということです。
時間は有限ですし、科目によって優先順位をつけなければ、全てが中途半端になりかねません。定期テストの場合は提出物の関係もあるので、極端な傾斜配分は難しい部分もありますが、基本的には“伸びが期待できる科目”あるいは“優先的に対策すべき苦手科目”、さらにはテストが近づいている場合などには“ある程度即効性の期待できる科目”により多く時間を割り当てるなど、科目間の比率に考慮しましょう。
そこで、日曜などを活用して予備日を設定するようにしましょう。適切な予備日の設定は学習計画の進捗にも余裕をもたらしますし、しっかり実行できた時には心おきなく休む(遊ぶ)ことも、心身のコンディションを保つ上では重要なことです。
STEP② 月単位、週単位に計画を落とし込もう!
科目ごとにやらなければならない内容と、大まかな時間配分を決定したら、いつまでに何をどこまで終えるか、具体的に月、週、日単位のスケジュールに落とし込んでいきます。
まずは月単位でどこまでの範囲を学習するか目標を設定し、月単位の目標を達成するために必要な項目を4週間分に分割して各週のスケジュールを作ります。最後に各週のスケジュールを達成するために必要な項目を6日分に分割(1日は予備日)して1日単位のスケジュールに配分していくと、おのずと計画表が完成します。
この時、特に受験生が気を付けなければならないのは、何もかも毎日やろうとしないことです。
例えば英語の単語や数学の計算、国語の漢字などは日々の蓄積がモノを言うため、少ない時間でも毎日取り組むべき学習課題と言えますが、一方で国語の読解問題や理社などは、毎日でなくとも例えば隔日で時間を設定しても良いでしょう。
塾に通っている場合は授業日時やそこで課される課題にいつ取り組むかなども考慮し、無理のない計画にしましょう。
特に定期テストと模試ではその範囲も科目も異なってくる場合が多く、目標に向けて具体的にやるべきことも変わってきます。
目標から逆算し、どのぐらいの時間が確保できるかをチェックすることも、結果の伴う計画づくりのポイントです。
STEP③ 計画は臆せず修正!
最初に立てた計画が最後までそのまま進むことはむしろレアケースです。体調を崩してしまったり、学校が忙しかったりして、計画通り学習できない日も生じます。まずは、予備日を利用して計画を調整し、それでも難しい場合は翌週以降のスケジュールを変更しましょう。
また、学習を進めていけば新たに苦手な分野が見つかることもありますし、集中的に学習すべき分野も出てきます。予備日前後に計画の達成状況を確認する時間を設け、計画を修正していきましょう。
計画を修正することをネガティブに考えるのではなく、「計画は随時修正するもの」と考えると、ストレスもたまりにくく、挫折しにくくなります。
極端な例ですが、毎日睡眠時間を削って深夜まで勉強することは心身に与えるダメージも大きいですし、一気に詰め込んでも身に付かなければ意味がありません。
一生懸命にやっているはずなのに結果が伴わなければ、モチベーションにも影響してきます。
1週間の予備日以外にも、1日の中でも多少余裕を持たせた、柔軟性のある時間配分を意識しましょう。
計画実行のポイント
計画を立てることに満足してしまい、3日も続かず・・・というのは“あるある”の一つですが、せっかくの完璧に見える計画も、実行できなければ全く意味がありません。
そこで、立てた計画を実行に移す上でのポイントについても確認しておきましょう。
時間を決める
1日の学習時間を決めて勉強しましょう。メリハリの大原則は、規則正しい勉強習慣です。もし時間内に計画していた範囲が学習できないようであれば、それはそもそもの計画の立て方が間違っていると考え、早めに計画の見直しを行いましょう。
また、範囲が終わらなかったといって、睡眠時間を削ってまで勉強を続けるようなことは避けましょう。睡眠時間を削ると集中力も落ちますし、体調も崩しかねません。決まった時間が来たら、その日の勉強は終えて、次の日に備えて休息を取りましょう。心身ともにリフレッシュした状態で再スタートした方が効率的です。
得意科目から始める
学習を始める際は、苦手科目よりも得意科目から手を付ける方が勉強の効率が上がります。これは「学習の転移」と呼ばれる現象で、得意科目から始めてポジティブな気持ちや勉強のリズムを作ったうえで、苦手科目に取り組んだ方が勉強効率が上がると言われています。
毎日の学習は、得意科目→苦手科目の順でスケジュールを組みましょう。
復習も忘れずに!
人間の脳は忘れるようにできています。一方で、復習を重ねることで忘れていくスピードを低下させ、記憶の定着率を上げることは可能です。
ポイントは”復習の回数”を増やすこと。学習計画の中に、一定頻度で復習機会を確保したり、一度学習したところに再度取り組むような反復機会の伴う計画づくりを意識しましょう。
また、復習は一度やっている内容ということもあり、新たにインプットするよりも効率的に学習を進められることも期待できます。