保護者世代の当時と異なり、大学全入時代とも言われる現在では、過酷な一般入試の競争を勝ち抜いて大学に進学する割合はなんと半分を下回り、推薦入試やAO入試といった“一般入試以外のルート”で進学する方がメジャーになりつつあるといっても、決して過言ではない現状にあります。
もちろん大学によってその内訳や割合は異なるものの、一般入試ほど過酷な受験勉強を必要とせず、しかも年内に合否が判明する=受験終了となれば、推薦入試やAO入試に人気が集まるのも、ある意味では必然と言えるでしょう。
しかし一方で、推薦入試やAO入試と一般入試では、そもそも求められる能力も異なりますし、推薦やAOで望む結果が得られなかったからと言って、すぐに一般入試に切り替えられるというほど甘いものでもありません。
今回は、当初AO入試による進学を考えていたものの、まさに思う結果が得られず、しかしそこからの猛勉強で一般入試による志望校突破を果たしたこだわり講師に、当時の反省や後悔、そして得られたものなどを回顧してもらいましょう。
そもそもAO入試を目指した動機が・・・
学校全体としては一般受験組の方が多数派な学校だったのですが、なぜか私の友人は推薦狙いが多く、私も「AOで受かればたくさん遊べるじゃないか!」と思い、それなりの大学の何となく興味のある学科にAOがあったこともあり、「これでいいかな~」という、今思えば軽い気持ちで決めました。
いざAO入試!・・・が、心構えも準備も全く足りていなかった
AO入試を受けることを決めてからは、レポートを書くために簡単なフィールドワークをしたり、面接の練習をしたりと、それなりの労力はかけて準備をしていたつもりでした。にも関わらず、結果は不合格。かなりショックで、立ち直るのに1か月ぐらいはかかりました。
しかし、振り返ってみれば当然の結果というか、敗因は明確でした。
二次試験の面接でプレゼンテーションがあったのですが、一次試験にかなりの倍率で受かったことに油断もあって、「言っても高校生の発表でしょ?」と軽く見ていたら、他の子達は300人規模でアンケートをとっていたり、遠くの県までフィールドワークをしていたり、付け焼刃の努力では太刀打ちできないくらいに準備のレベルが違ったのです。
遅ればせながら塾通い。そして逆転合格
他の受験生が猛勉強をしていた夏休みに、私はAOの準備で勉強をサボっていたので、いざ一般受験といってもなかなかペースが上がらず・・・。これはまずいと塾に駆け込み、そこから私の一般入試に向けての本格的な戦いが始まりました。
しかし、ほとんどが一般受験をする学校において、私の周りはなぜか本当に推薦の子が多かったので、続々と進学先が決定し受験を終えていく中、一人だけ勉強しなければいけないという状況は精神的にもキツかったです。もちろん、AO後に予定していた計画も全てガマンでした・・・。
そうした状況下で、志望校を突破するためにどうすべきか、私なりに考えたことが、科目数を絞ることでした。入試まで時間も無かったですし、受験科目を減らして、その分1科目当たりにかける時間を増やそうという作戦です。
具体的には、AOを受けるにあたってTEAPのスコアを取っていたので、それを使える大学を探しました。今はTOEICやTEAP 、英検などを英語の試験の代わりとして使えたり、もしくは点数に加算したりする大学が増えていて、思いがけずAOの準備が一般受験で役立つことになりました。また、日本史、世界史は覚える量が多かったので、政治経済で受験しました。科目を絞ったことで、気持ちに少し余裕をもって勉強することができました。
勉強する環境も、家だと気が散ってしまい勉強できない子だったので、学校が終わるとそのまま塾に行きました。冬休みももちろん毎日通って追い込みました。週2コマしか塾の授業はなかったのに毎日自習室に入り浸っていて、迷惑に思われていたかもしれません(笑)。
結果的に合格できたからよかったものの、AO失敗からがドタバタ過ぎて、合格できた時はホッとしたというのが何よりの感想でした。
私みたいなことにならない為にも、どんな進路を目指すにも絶対に準備を疎かにしないということと、様々なリスクも覚悟しておくことは後輩たちに伝えたいです。
- ギリギリまで一般入試の勉強と並行するべし!
- レポートの添削、面接の練習を頼める先生を一人でも多く確保するべし!
- AOの準備と一般入試の勉強で、他の子よりも2倍大変になるという覚悟を持つべし!