「AIをもっと用いるべきだという考えについて、賛成か反対か自分の立場を明らかにして、その理由が伝わるように書きなさい」
これは平成30年度埼玉県公立高校入試の英語において出題された、“英作文”のテーマです。
英作文としてどうまとめるべきかという以前に、「そもそもAIって何?」という中学生も多く、概念として非常に高度な内容の出題と言えるでしょう。
実は近年、こういった旬のネタ=時事に関する出題が非常に増えています。サッカーW杯出場国に関する出題、ゴミ問題や地球環境問題、ボランティアに関する長文等々、今年実施された問題の中だけでも枚挙に暇がないほどです。
こうした時事問題は、知っているだけで対応もしやすくなる一方、知らないとそもそもの前提を理解するところから困難になる傾向があり、概念レベルでも押さえておくことは、受験においても非常に大きなアドバンテージを得る要因になります。
そして、この時事問題突破のカギになるのが、冒頭のSustainable Development Goals(以下、SDGs)なのです。
SDGsとは?
SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた国際社会共通の目標で、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として採択されたものです。そしてSDGsは、国や政府、企業だけが意識すべき目標ではなく、私たち一人ひとりにも密接に関わっている問題であり、時事問題にも密接に関わってきているのです。
例えば、目標8には「2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用、及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する」、目標12には「2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする」という、個人の生活や意識の変革を必要とするようなターゲットが設定されています。
一つ一つのテーマについて、何らかの明確な解を持ちましょうということではなく、それぞれのテーマについて最低限の知識を持ち、意見を持っておく、それだけでもいざ出題された時の対応力は変わってきますし、より本質的な部分で、社会に対する関わり方について考える契機ともなります。
下記の例題なども参考に、是非「自分事」として、時事について、社会問題について、主体的に考えてみましょう。
- まだ十分に食べられる食べ物が捨てられてしまう問題、食品ロス(フードロス)について考えてみよう!
- 健常者と障害者が共に学べる環境づくりの方法について考えてみよう!
- あなたが今着ている服はどこでどうやってつくられたものでしょうか?あなたにとって良い買い物とはなんでしょうか?