時事通信vol.7 繰り返されてきた感染症の歴史。実はまだ収束していないものも!?

時事を制する者は試験を制す?

時事問題とは一般的に、日本や世界の主要な出来事について考え、答えを導き出す問題のことを指します。
この時事問題、実は近年、入試や学校のテストにおいて出題される傾向が高まっているのです。
18歳選挙権、朝鮮半島問題等々、身近な出来事について、少なくとも説明し、自分の意見を述べることができるようにしておくことが、試験の結果に直結していくのです。
今回は、コロナ禍で感染症の恐怖を実感したばかりの今、もう一度感染症の歴史を振り返ってみましょう。

あの有名な感染症も、海外ではまだまだ猛威をふるっている!?

新型コロナウイルスの蔓延によって、日本でもウイルス感染症の恐ろしさに直面することになりましたが、これは初めてのことではなく、日本に限らず世界で常にウイルスとの戦いを繰り返し、そして今もなお戦い続けている現実があります。

古くは3度に渡って大流行し、特に14世紀からの2度目の流行時には、当時の世界人口の20%以上にあたる1億人が死亡したとされる「ペスト」。あるいは今回のコロナ禍で紹介されるケースも多かった「スペイン風邪」は、約100年前に世界で4000万人もの人々の命を奪ったとされます。他にも「コレラ」や「結核」、記憶に新しいところでは「SARS」もそうです。

そしてこれらの感染症の恐ろしいところは、地球上から完全に“消滅”したわけではないということです。ペストは今も毎年千人弱もの人が感染していますし、結核に至ってはHIVの次に死者の多い感染症とされています。いずれも有効な感染防止対策が確立されて、かつてのような大流行は減っているものの、今もなお、人々の命を脅かし続けているのです。

感染症 流行時期 死者数 収束
ペスト 14世紀 1億人
コレラ 1817年 年10万人 ×
マラリア 先史~現在 年45万人 ×
結核 先史~現在 年150万人 ×
スペイン風邪 1918年 4000万人
SARS 2002年 800人
鳥インフル 2005年 450人
MERS 2014年 850人

歴史的にもメジャーな対策「Stay Home」

感染症の収束に向けては、以下の3つのパターンが挙げられます。

  1. 治療法の確立(=新薬の開発)
    感染しても治せる(インフルエンザパターン)
  2. 集団的な免疫の付与(=ワクチン開発)
    一人一人が感染しないよう対策する(幼少期にワクチン接種パターン)
  3. ウイルスの絶対量を減らす(=隔離、封じ込め)
    かかる確率を減らす(SARS、新型コロナパターン)
①②は根本的解決が可能ですが、現実としては、再流行の可能性をはらむ③で“収束”にこぎつけているのは、興味深い事実と言えるでしょう。このような歴史から考えれば、今回の“Stay Home”の有効性はやはり高かったと言えるでしょう。