学校再開から2週間、手探りの分散当校も終わり、いよいよ今週からは通常の学校生活が始まります。そして同時に、1学期最初にして最大の関門とも言うべき1学期期末テストまで約1か月となりました。
夏休みや冬休みの短縮、行事類の中止、さらには土曜授業等々、3か月というあまりにも長期に及んだ“空白期間”を埋めるべく、様々な施策が検討、あるいは実施が決定していますが、それでも絶対的に授業日数が足りないというのは、まぎれもない事実です。
その上で、どうすれば履修すべき事項を網羅できるかと考えれば、シンプルに「ペースアップするしかない」。これが現場で取り得る最も現実的な手段かもしれません。
そしてそう考えた時に、今回の1学期期末テストは言うまでもなく、今後に控える定期テストの類における生徒側の覚悟も、相応のものが求められるようになってきます。
ここで昨年の領中3年生のテスト範囲を、数学を例におさらいしてみましょう。
テスト | 登校日数 | テスト範囲 | 主要単元 |
1学期中間 | 約30日 | P12-39 | 「展開」「因数分解」 |
1学期期末 | 約26日 | P40-63 | 「平方根」 |
2学期中間 | 約41日 | P64-113 | 「二次方程式」「二次関数」 |
2学期期末 | 約24日 | P114-171 | 「相似」「円」 |
※登校日はテスト間の登校日数。「約」としているのは行事類を考慮しています。
年度によって多少ばらつきはあるものの、概ね1学期中にP63まで、単元としては「平方根」までの履修を終えています。そして2学期は「二次方程式」から「関数」、「相似」等の図形分野までとなっています。
1・2年生は翌年度に一部持越しという手段も取り得ますが、3年生は原則的に修了を目指すと仮定すれば、遅くとも2学期期末時点で履修範囲を追いつく想定で進める必要が出てきます。
最難関は2学期中間!?1学期は取れるだけ取っておくことが勝利への鉄則!
その観点で考えれば、実は最も大きな影響を受けるのは2学期中間になると予想しています。現時点でテスト日程はまだ不明ですが、そうでなくとも例年最もテスト間日数が多く、テスト範囲も広くなる傾向にある上に、今年は夏休みの短縮に伴い、さらにテスト間に確保できる授業日数が多くなると思われるからです。もちろん、履修範囲網羅に向けての授業ペースアップを加味する必要もあります。
もちろん、今回の1学期期末テストも、例年の1回分に比べれば多少なりとも広めのテスト範囲になることは想定すべきでしょうし、何より2学期以降の厳しい状況を想定すればこそ、1学期の“取れる時に取っておく”という考え方が重要度を増します。
さらにもう一点、念頭に置いておくべきなのが、学校に依存した、あるいは学校のペースに合わせた学習をやっていては、とてもではないが受験には対応できなくなる懸念が拭えないということです。
既に分かっている子はそうした事態を念頭に対策を始めており、そうでない子との格差は現在進行形で拡大中です。
いくら学校が再開されたとはいえ、少なくとも今年は“平時ではない危機感”を持って、早め早めの準備を進めていくべきでしょう。