小学校で英語が教科化。で、中学ではどうなるの?

さっそくコロナ禍で出だしから大きくつまずきを見せたものの、本年度から小学校で新学習指導要領が実施されるのに伴い、英語が教科化されることとなりました。

そして、小学校の内から教科化された英語を学んだ学年が中学生になる来年2021年度からは、中学校でも新学習指導要領に基づいたものに切り替わります。

そこでポイントの一つになってくるのが、小学校で教科化された英語を学び始めるということは、そのまま中学校の英語の高度化を示すのかという点です。

結論から言えば、答えは“YES”。基礎的なことは小学校で学習済みという前提に立ったカリキュラムとなっています。

では、中学校の英語がどのように高度化するのか、一例を確認しておきましょう。

中学における新学習指導要領に基づく英語学習の変化
  • 授業が英語で行われる
  • これまで以上に「話す」「書く」の発信する学びが充実
  • 3年間の単語数がこれまでの1200語程度から「1600~1800語」へと約1.5倍に
  • 「仮定法」「現在完了進行形」等、従来高校での学習内容も一部中学校で学習開始

つまり、小学校での英語学習でしっかり基礎を身につけておかないと、これだけ高度化する中学英語ではまず大苦戦必至。中学に入ってから本格的に英語開始、あるいは高校入試に備えて塾通いというこれまでの概念では、後悔は免れないと言えるだけの変化なのです。

英語改革の最終ゴールは「英語を使える」こと

そもそも、今回の英語改革に関して文部科学省が設定している目標は、高校修了までに英検2級程度相当の英語力を身につけること。さらには「英語が分かる」だけでなく「英語を使うことができる」レベルを目指している背景があります。

こういった英語力向上は高校だけでは到底達成できるものではなく、そのため、小学校からスタートを早め、伴って中学校での英語学習の難度をより高める必要性が出てきたのです。

もちろん、肝心の学校現場でどこまで対応できるのかという課題はついてまわるものの、目標が明確に設定されている以上、そこに至るプロセス次第では大きな差が生じかねず、またそれを学校現場の責任にしていても、差が埋まることはありません。

個々の学習に対する考え方や備えの差も、また大きな格差の要因になってきかねないことは、大いに心しておくべき課題と言えるでしょう。