編集長コラムvol.12 塾も保護者を見ています

当コラムは2/28(金)の公開となっていますが、この日は塾にとっては大みそかのような、1年の集大成とも言える日です。

つまり、埼玉県公立高校入試の学力検査実施日であり、また中学1・2年生にとっても1年の集大成となる学年末テストが集中する日なのです。

その結果はまだ執筆段階では知る由もないですが、月が変われば3月。休むことなく新たな1年が始まります。

そうしたタイミングにおいては、受験を終えて卒業していく生徒さんもいる一方で、新たに塾生として迎え入れるシーンも増えてくるわけですが、生徒さんや保護者様が慎重に良い塾を見極めようとしているのと同じく、塾側としても、どのようなお客様なのか様々な観点から見ています。

家庭環境はどうか、保護者様はどんな性格か、ご家庭の教育方針はどうか、モノ言うタイプか放任主義か、等々、お客様を知ることは、良いお付き合いができるかどうかに留まらず、チームお子様として一丸となって戦っていく上では非常に重要な要素だからです。

そこで、塾側の観点として、どのようなご家庭をお付き合いがしやすいと考えるのか、その一例をご紹介します。だからといって変に合わせてくださいというのではなく、塾側も「こういったスタンスを歓迎しているのだ」と知っていただければとの思いです。

結果よりもプロセスを気にする

テストで何点取ったか、受験生であれば偏差値が幾つだったか、親として明確な指標たる結果を気にするのは当然のことです。

ただ、いよいよ本番も差し迫ったタイミングならまだしも、恒常的にそういったスタンスで接してこられるご家庭は、総じて伸び悩む傾向にあります。

なぜならば、結果を出し続け成長し続けるようになるためのプロセスには、時に目先に目をつぶってでも課題と向き合う“雌伏”の時間も必要な場合があるからです。

学習課題の基礎基本を固め直す作業、やるべきこととちゃんと向き合うスタンスの構築、そういった勉強の本質的な部分こそ重視し、そして塾側に質問や要望をしてくれるような保護者様なら、協働パートナーとしての期待感も大きく向上します。

どんな些細なことでも報連相

塾側から学習状況をはじめとして、様々にご報告するのは当然のことですが、ご家庭の方からも積極的に塾側へ情報共有していただけるようだと、非常に助かります。

勉強や進路についての悩みはもちろん、学校やご家庭での人間関係や、食事の時にふと漏らした未来への不安等々、どんな些細なことであれ、塾の外でのことは知りようがないからこそ、そしてどんな揺らぎであれ知っていなければ手の打ちようもないからこそ、綿密に情報共有できる関係性はいざという時にモノを言います。

「こんな些細なことでお手を煩わせるのも・・・」とか、「これぐらいは把握してくれているでしょ」ではなく、どんなことも本音で語り合える関係性も、円満に、そして円滑にお子様の将来を切り開いていく上での条件の一つなのです。

フラットで対等な関係性

塾側からすれば、生徒さんや保護者様は間違いなく“お客様”です。一方で、生徒さんや保護者様からすれば、塾のスタッフは“先生”なのでしょう。

しかし、上記のワードを引用すれば、パートナーとして、チームとして協働できる関係性の方が絶対に強いですし、そのためには妙な遠慮はむしろマイナス要因にさえなりかねない部分もあります。

互いに対しての敬意を否定するわけでなく、尊重しあいつつも、仲間意識でお付き合いできる方が、塾としてもありがたいものだったりするのです。