雑学実験室vol.5 味覚と温度の関係を科学的に検証!

レシピの類を見ても「〇度のお湯(油)で・・・」「〇度まで冷まして・・・」といった表記をよく目にしますが、温度によってそこまで料理の味覚は変わるものなのでしょうか?今回は2~3月にかけて最も“もらいたい(あげたい)”食べ物チョコレートを使って実験です。

こだみゃー

はじめましてミャー!
バレンタインのチョコあげる♪
誰!?いきなり何!?

カマゴン

こだニャン

紹介が遅れてゴメンニャン。妹の“こだみゃー”だニャン。
ってか、どなた様ニャン??
ハッハッハ、こちらこそ紹介が遅れたね。
僕の弟子のカマゴン君だよ!

シライシ

こだニャン

いつの間に弟子なんか・・・。
ところで急にどうしたニャン?
いやぁ、すっかり有名になっちゃって、忙しいから弟子を取ったんだ!

シライシ

こだニャン

ホントかどうか知らないけど、お返ししなきゃニャン。どっちがおいしいチョコを作れるか、師弟対決してみたらどうニャン?

カマゴン

師匠!お覚悟を!!
いいだろう!かかってきなさい!!
(ってか、なんでそっち側にいるの?)

シライシ

バレンタインの歴史は、西暦1207年2月14日、兵士の「士気」が弱まると考え結婚を禁止していた当時のローマ皇帝に反し、秘密で若者達の結婚を行っていたヴァレンチノ(バレンタイン)司祭が処刑されたことに因みます。後世の人々は、ヴァレンチノの勇気ある行動を称え、恋人の守護神として祀るようになりました。

実験開始:どっちがおいしいチョコを作れるか?

カマゴン

溶かしたチョコは冷やせば固まるから,
冷蔵庫に入れちゃえばカンペキ!

  1. 刻んだチョコを湯煎で溶かす。
  2. 溶けたら型に入れて冷蔵庫で素早く固める。
甘いなカマゴン君。こっちは少しずつ冷ましながら固めるぞ!

  1. 刻んだチョコを50℃前後の湯煎で溶かし、チョコの温度を40~45℃にする。
  2. 湯煎のお湯を10~15℃の水にし、チョコの温度を26~27℃にする。
  3. 30~35℃の湯煎でチョコの温度を30℃にし、30℃の状態を保ちながら型に入れて固める。

シライシ


こだみゃー

いただきますミャー!・・・シライシ先生の方が断然おいしいミャー♪
ハッハッハ!甘い!甘すぎるぞカマゴン君!
実は“30℃”というのがポイントなんだ。チョコは固まる時の温度によって固まり方が変わると学んだんだ!

シライシ

こだニャン

シライシ先生も成長したニャンね。
その通りで、実はチョコには固まる温度が6種類もあって、それによって・・・
ちょっと待った、こだにゃん!
今回はその役、僕に任せてもらおう!これも師匠から弟子へのプレゼントだよ。

シライシ

解説:なぜ温度で味覚が変わるのか?

シライシ

水は0℃で固まって氷になるのは知ってるよね?
馬鹿にしないでください、師匠。それぐらいは知ってますよ!

カマゴン

シライシ

溶けたチョコにも固まる温度=融点があるんだけど、チョコの場合はそれがなんと6種類もあって、それぞれ固まり方(結晶)が異なることで、味も変わってしまうんだ

結晶の型 Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅲ型 Ⅳ型 Ⅴ型 Ⅵ型
融点 17℃ 23℃ 25℃ 28℃ 33℃ 36℃
品質 低い温度で溶けてしまう&味も不適 最適 ブルーム

カマゴン君みたいに適当に冷蔵庫に入れちゃうとⅥ型の結晶になってしまうんだけど、これだと白っぽくなって(ブルーミング)、味もイマイチなんだ。Ⅰ~Ⅳ型の場合も融点が低いからすぐに溶けてしまうし、これまた味がイマイチ。
おいしいチョコはⅤ型だけだと言われているんだ。

さすが師匠!だからあんなに手間をかけていたんですね!?
でも、どっちみち冷蔵庫に入れて保管するわけだし、同じような気が・・・。
実際、お店で買った高いチョコを冷蔵庫に入れていたら、ブ、ブルーミングですか?白くなったことがありますよ?

カマゴン

シライシ

うむ、カマゴン君、実に良い指摘だ。
チョコの結晶は、実はⅥ型の時が一番安定するので、冷蔵庫に入れていたり長時間経つと、せっかくのⅤ型のチョコもⅥ型になってしまうんだ。
ちなみにⅤ型の状態を“準安定”の状態とも言うのだが、おいしいものはだいたい準安定、つまりおいしい時間は短いものなのだよ。
つまり・・・チョコは早めに食べろってことですね、師匠?
おいしいうちに全部いただきます!!!

カマゴン

シライシ

ただ食べたいだけじゃん・・・。