レシピの類を見ても「〇度のお湯(油)で・・・」「〇度まで冷まして・・・」といった表記をよく目にしますが、温度によってそこまで料理の味覚は変わるものなのでしょうか?今回は2~3月にかけて最も“もらいたい(あげたい)”食べ物チョコレートを使って実験です。
こだみゃー
はじめましてミャー!
バレンタインのチョコあげる♪
バレンタインのチョコあげる♪
誰!?いきなり何!?
カマゴン
こだニャン
紹介が遅れてゴメンニャン。妹の“こだみゃー”だニャン。
ってか、どなた様ニャン??
ってか、どなた様ニャン??
ハッハッハ、こちらこそ紹介が遅れたね。
僕の弟子のカマゴン君だよ!
僕の弟子のカマゴン君だよ!
シライシ
こだニャン
いつの間に弟子なんか・・・。
ところで急にどうしたニャン?
ところで急にどうしたニャン?
いやぁ、すっかり有名になっちゃって、忙しいから弟子を取ったんだ!
シライシ
こだニャン
ホントかどうか知らないけど、お返ししなきゃニャン。どっちがおいしいチョコを作れるか、師弟対決してみたらどうニャン?
カマゴン
師匠!お覚悟を!!
いいだろう!かかってきなさい!!
(ってか、なんでそっち側にいるの?)
(ってか、なんでそっち側にいるの?)
シライシ
バレンタインの歴史は、西暦1207年2月14日、兵士の「士気」が弱まると考え結婚を禁止していた当時のローマ皇帝に反し、秘密で若者達の結婚を行っていたヴァレンチノ(バレンタイン)司祭が処刑されたことに因みます。後世の人々は、ヴァレンチノの勇気ある行動を称え、恋人の守護神として祀るようになりました。
実験開始:どっちがおいしいチョコを作れるか?
カマゴン
溶かしたチョコは冷やせば固まるから,
冷蔵庫に入れちゃえばカンペキ!
冷蔵庫に入れちゃえばカンペキ!

- 刻んだチョコを湯煎で溶かす。
- 溶けたら型に入れて冷蔵庫で素早く固める。
甘いなカマゴン君。こっちは少しずつ冷ましながら固めるぞ!

- 刻んだチョコを50℃前後の湯煎で溶かし、チョコの温度を40~45℃にする。
- 湯煎のお湯を10~15℃の水にし、チョコの温度を26~27℃にする。
- 30~35℃の湯煎でチョコの温度を30℃にし、30℃の状態を保ちながら型に入れて固める。
シライシ
こだみゃー
いただきますミャー!・・・シライシ先生の方が断然おいしいミャー♪
ハッハッハ!甘い!甘すぎるぞカマゴン君!
実は“30℃”というのがポイントなんだ。チョコは固まる時の温度によって固まり方が変わると学んだんだ!
実は“30℃”というのがポイントなんだ。チョコは固まる時の温度によって固まり方が変わると学んだんだ!
シライシ
こだニャン
シライシ先生も成長したニャンね。
その通りで、実はチョコには固まる温度が6種類もあって、それによって・・・
その通りで、実はチョコには固まる温度が6種類もあって、それによって・・・
ちょっと待った、こだにゃん!
今回はその役、僕に任せてもらおう!これも師匠から弟子へのプレゼントだよ。
今回はその役、僕に任せてもらおう!これも師匠から弟子へのプレゼントだよ。
シライシ
解説:なぜ温度で味覚が変わるのか?
シライシ
水は0℃で固まって氷になるのは知ってるよね?
馬鹿にしないでください、師匠。それぐらいは知ってますよ!
カマゴン
シライシ
溶けたチョコにも固まる温度=融点があるんだけど、チョコの場合はそれがなんと6種類もあって、それぞれ固まり方(結晶)が異なることで、味も変わってしまうんだ。
結晶の型 | Ⅰ型 | Ⅱ型 | Ⅲ型 | Ⅳ型 | Ⅴ型 | Ⅵ型 |
融点 | 17℃ | 23℃ | 25℃ | 28℃ | 33℃ | 36℃ |
品質 | 低い温度で溶けてしまう&味も不適 | 最適 | ブルーム |
カマゴン君みたいに適当に冷蔵庫に入れちゃうとⅥ型の結晶になってしまうんだけど、これだと白っぽくなって(ブルーミング)、味もイマイチなんだ。Ⅰ~Ⅳ型の場合も融点が低いからすぐに溶けてしまうし、これまた味がイマイチ。
おいしいチョコはⅤ型だけだと言われているんだ。
さすが師匠!だからあんなに手間をかけていたんですね!?
でも、どっちみち冷蔵庫に入れて保管するわけだし、同じような気が・・・。
実際、お店で買った高いチョコを冷蔵庫に入れていたら、ブ、ブルーミングですか?白くなったことがありますよ?
でも、どっちみち冷蔵庫に入れて保管するわけだし、同じような気が・・・。
実際、お店で買った高いチョコを冷蔵庫に入れていたら、ブ、ブルーミングですか?白くなったことがありますよ?
カマゴン
シライシ
うむ、カマゴン君、実に良い指摘だ。
チョコの結晶は、実はⅥ型の時が一番安定するので、冷蔵庫に入れていたり長時間経つと、せっかくのⅤ型のチョコもⅥ型になってしまうんだ。
ちなみにⅤ型の状態を“準安定”の状態とも言うのだが、おいしいものはだいたい準安定、つまりおいしい時間は短いものなのだよ。
チョコの結晶は、実はⅥ型の時が一番安定するので、冷蔵庫に入れていたり長時間経つと、せっかくのⅤ型のチョコもⅥ型になってしまうんだ。
ちなみにⅤ型の状態を“準安定”の状態とも言うのだが、おいしいものはだいたい準安定、つまりおいしい時間は短いものなのだよ。
つまり・・・チョコは早めに食べろってことですね、師匠?
おいしいうちに全部いただきます!!!
おいしいうちに全部いただきます!!!
カマゴン
シライシ
ただ食べたいだけじゃん・・・。