編集長コラムvol.11 英語力の前に国語力

「『将来が見えない』って将来に形があるんですか??」
「『口をきく』って口で何か聞こえるの??」

先日、日本の学生の読解力が低下したというニュースが流れていましたが、筆者の運営する個別指導「こだわり」塾においても、それについては日々、痛切に実感していることでもあり、冒頭の例は実際に授業の中で絶句した現実です。

俄には信じられないかもしれませんが、こうした例は枚挙に暇がなく、そしてこうした現実に直面する頻度と成績が、見事に反比例の関係にある点は見逃せないポイントです。

つまり、語彙力に象徴される国語力と成績の相関関係です。

国語に限らず英語も他科目も、成績の根底にあるのは国語力

最近は幼少期から英会話などに通い、中には小学生の内に英検3級合格といった強者も珍しくはなくなっています。

しかし、それが成績にそのまま直結しているかと言えば、英語に限っても必ずしもそうではない現実があります。

そもそも、英会話と受験英語では似て非なる部分が大きいことに加え、英語にしても他の科目にしても、問題は日本語で出題されるケースの方が圧倒的に多数です。つまり確かな国語力の有無が、国語に限らず全ての科目において得点力の根底にあるにも関わらず、優先順位として後回しにされ続けた結果が背景にあるものと推察されます。

繰り返しになりますが、確かな国語力なくして、問題文の読解も、思考することも、ましてや得点力UPは望めません。

即効性ある解決策はない。だからこそ習慣や環境が大切

とは言え、一朝一夕に解決しない課題である点に、この問題の難しい部分があり、だからこそ、日々の習慣的な部分での見直しを検討する必要があります。

例えば、新聞や小説、あるいは児童書などでも良いので、一定頻度で活字に触れる機会を確保し、そして知らない語句を調べたり、内容について意見交換をするようにしましょう。そんなささやかな日常の繰り返しの中でも国語力は養われ、やっている子とそうでない子で差はついていきます。

一人でやりなさいと言ってやれるほど理性ある年齢ではないからこそ、常日頃から、家庭を含め一丸となった環境づくりを心掛けて欲しいと思います。