学習指導要領の改訂や受験制度の改革が取り沙汰されると、今の学習ペースやスタンスで大丈夫なのか、不安に感じるのも致し方ないところです。
しかし一方で、「できることなら、やりたいことをやらせてあげたい!」「勉強も大事だけど、伸び伸び育ってほしい」という親心にさいなまれる方もおられることでしょう。
実は高学歴者へのアンケートを実施しても、幼少期から塾に通い詰めていたというケースはむしろマレで、それ以上に、最低限の学習習慣をいかに確保するかの視点の方が大切だという結果が出ています。
塾に通ったからといって易々と結果が得られるわけでもないですし、結果を得るには塾を活かすことのできる基本スタンスが必要だということでもあるのでしょう。
そこで、慌てて塾探しに奔走する前に、一歩立ち止まって「今の取り組みにプラスアルファで勉強ができるようになる方法」について、考えてみましょう。
法則1
まずは何より学習習慣!
毎日短時間のドリル学習で、基礎学力と集中力を養おう!
成績の良い子に共通しているのは、通っている塾や授業数ではなく、毎日宿題をちゃんとやるといった、当たり前のことを当たり前にやる習慣だったりします。
また、そのやり方もダラダラと長時間やるのではなく、30分や1時間といった短い時間でも集中して取り組むことを重視する声が多数派だったりしますし、応用問題や高度な問題にばかりチャレンジしていたというわけでもないようです。
つまり、彼らは特別な何かをしていたわけではなく、毎日欠かさぬ鍛錬を重ねていたからこそ、自然と脳の処理能力が向上していたのです。
その観点に立てば、日々の学習習慣作りや基礎学力の強化という点で、簡単でも少量でも良いのでドリル学習を日課に組み込むことは、非常に有意義な取り組みと言えるでしょう。
法則2
読解力はすべての基幹。
新聞や児童書を読んで読解力と語彙力を養おう!
国語や英語はもちろんのこと、数学や理科といった理系科目においても、その成績を読解力が左右するケースは少なくありません。
どのような科目であれ、内容を理解し、イメージする力こそが学力に直結していくからです。
特に成績が良い子とそうでない子の間には、幼少期からの読書体験量が決定的に異なるというデータがあります。より多くの読書体験量があるほど、語彙力も養われやすいですし、高度な言葉に対する適応力も備わります。もちろん、読書スピードにも差が表れます。
身近な新聞でも良いですし、興味がある分野の児童書などでも十分効果的です。興味があれば漢字を覚えるといった副次的な効果も期待できます。
まずは前向きに取り組めそうなところからおススメしてください。
法則3
古典的手法が一番!漢字も英単語も板書も、書いて覚えよう!
成績の良い子は新たな学習事項もすぐに覚えてしまいますが、これは持って生まれた才能の問題なのでしょうか。
答えは否。覚える上で有効なトレーニングを重ねてきた結果として、覚える機能が養われているのです。
その代表的な例が、「書いて覚える」という習慣です。黒板の内容をノートに書く作業、毎日の漢字練習を書いて覚える作業等々、その全てが脳に良い刺激を与えます。
そもそも脳には、できるだけ五感をフル活用した方が機能する習性が備わっています。見るだけ聞くだけ唱えるだけよりも、手先を動かしながら、できるだけ多くの機能を動員した方が、結果的に多くの学びをインプットできるのです。
面倒で地道な作業の積み重ねこそが、学力UPへの一番の近道なのです。